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このところとんでもなく忙しく、各種更新がおざなりになっていて申し訳ございません。こちらの記事も2か月くらい前には書いていたのですが、写真撮影や編集が遅れ、長らく日の目を見ませんでした・・・。

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ELZETTA ALPHAは、ヘッド直径30mm、全長100〜105mmほどの小型のライトです。
現在は1セル機の小型化が進んでいるので、他社の同クラスのライトと比較すると、やや肉厚で太さ・全長ともに大柄な部類。もともと米国系ブランドには共通することですが、軽量コンパクトさよりも耐久性や操作性を重視した傾向といえます。


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ALPHAの電源はCR123A乾電池×1本。RCR123、または16340と呼ばれるリチウムイオン系の充電池も公式的に使えます。ただし、ELZETTAでは「信頼性の観点から推奨しない」とサイトに明記しています。
弊社のフラッシュライトぶん投げ実験でも、リチウムイオン充電池の破損確率はかなり高い一方、リチウム電池がだめになることは一度もなかったので、その信頼性には大きな差があるのは間違いありません。

リチウムイオン充電池を使用した場合、最大光量が535→800ルーメンに向上しますが、非常に短時間(10〜15秒)のターボブースト的なものになりますし、それでもワンクラス上に突き抜けるという感じではないので、当店としましても推奨はCR123Aです。


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ALPHAシリーズをEDCしてみて最初に気付くのは、1インチボディの握りやすさ。SUREFIRE Eシリーズの細いボディは携帯性は高いものの、しっかりと握るには細すぎます。
もちろん、極端に小型化された他社の同クラス機も同様です。またクリップなどがないソリッドなボディのため、がっちりと握っても違和感がありません。SUREFIRE 6Pに感じるようなカタマリ感をこの小さなボディから感じることができます。


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実際の運用では、THYRM SWITCHBACK LARGE 2.0を装着。この樹脂製のリング&クリップは、強く握りこんでもライト本体を傷つけにくく、破損時にも再入手が容易です。固定式や専用品ではないクリップのほうがユーザー目線では使用しやすいのは皮肉。
ELZETTA ALPHAには純正の後付けクリップがあり、またSUREFIRE 6P/6PXシリーズに使えるサードパーティ製クリップはほぼ使えますが、個人的にはTHYRMのものが一番良いと感じます。
といっても、ELZETTAの純正クリップは非常に人気があり、個人の好みの差による部分が大きいかもしれません。


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これらのクリップもそうですが、標準的な1インチボディは後付けアイテムが豊富にあり、様々なブランドからアクセサリとして入手可能。弊社でいえばルーメンズファクトリー、SKM工房、NEXTORCHなどがアクセサリを供給しています。写真に集めただけでも5種類、当店で扱っているクリップだけでも倍はあるでしょう。マウントリングや対応ホルスターなどを挙げていくと実に長いリストが出来上がりそうです。


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またELZETTA純正パーツだけでもヘッドのベゼル、集光レンズ、テールキャップの3つの要素を組み替えて自分好みのカスタムが可能。これは他社では見られない最大の特徴と言えるでしょう。
例えばA313などのように、末尾が3で終わる機種は、Hi-Lowスイッチを備えています。テールキャップをわずかに緩めて点灯させることでLOWモードが使えます。
もしほかのスイッチの仕様を試したくなった場合、クリックのないプッシュスイッチのROTALY、シングルモードのクリックスイッチCLICKYなど、HI-LOWスイッチを含め合計3種類から選ぶことができます。
BRAVO/CHARYではHIGH-STROBOスイッチが存在しますが、ALPHAはスイッチの3連打でストロボに入る機能があるため、HIGH-STROBOスイッチは使えません。


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ELZETTA ALPHAはヘッド周りの肉厚を確保して耐衝撃性を高めていますので、相対的にレンズ面(有効開口面積)が小さくなります。
レンズ面が小さくなると集光性が下がるため、TIRレンズの採用は集光性を補うための措置と言えそうです。
また、ヘッドを分解してみると、遠距離性に優れた CREE XP-L HIが搭載されています。BRAVOは光量重視のXM-L3でしたので、ヘッド直径による集光性の差も考慮してLEDを選択しているようです。


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このXP-L HIと小型TIRレンズの組み合わせがEDCの観点で理想的な照射になることは、当店も経験と実験を通じて承知しています。広めかつ強い中心光と、広い視野を両立します。
中心光の強さを上げるにはOSRAM KWなどの小型のLEDを選択するのがお決まりですが、同じ消費電力でも光量がかなり低下しますし、絞られすぎた中心光は使いにくさにもつながります。
XP-L HIの場合、XP-Lシリーズの豊富な光量を受け継ぎ、照射の広さも持ちつつ、十分に意味のある「中心照度の高さ」を確保できます。今回の実測では4170カンデラと実用性十分。弊社倉庫は奥行き10mほどありますが、不足を感じない明るさです。


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また4500Kほどの光色が素晴らしいですね。反射光がやわらかで、使用者の目に優しく、特にEDC面では使いやすいでしょう。タクティカル面では、煙や霧の多い環境でも貫通力があり、視認性が高いという特徴があります。


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一方、フラッドレンズを搭載したALPHA A123のほうは、非常に柔らかな光。中心照度で660cdと控えめな数字ですが、特殊なレンズ加工により手元から広がるフラッドな配光で、視界の良さとしては格別なものがあります。
10m先が行き止まりかどうかがわかる程度の光っですが、圧倒的な左右視界の広さは素晴らしいものがあります。


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ALPHAのLOWモードは50ルーメンと、より大型のBRAVOよりも明るい設定。スタンダードレンズでもフラッドレンズでも、足元を照らしながら歩くのに余裕を持てる明るさ。CR123A×1本の電力でLOWが50ルーメンというのはかなり贅沢に感じますが、4〜5時間のランタイムは見込めますので、むしろこのくらい明るいが良い、という人も多いかとは思います。それこそ停電の中を2〜3時間歩いて職場から帰宅するようなシチュエーションには安心できる明るさですね。競合機種となるSUREFIRE Eシリーズは伝統的に3〜5ルーメンのLOWですが、暗すぎるという意見も根強く、ALPHAのほうが好みの方も多そうです。


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今回選択したA313をEDC+タクティカルという視点で見る場合、いくつかの気になったポイントもありますので、正直にお伝えしましょう。

・ボディの太さ、しっかりしたチェッカリングによりポケットキャリーしにくいこと。
・同じ理由と、ストライクベゼルにより、抜き差しがしにくい。
・光量/集光性が控え目で中距離以遠に弱いこと。
・全長が短く、握りこんだ時に手の内に隠れてしまうこと。
・LOWが明るめの設定で、EDC用途にはやや贅沢に思われること。
・ストロボ機能が全バリエーション共通で、キャンセルできないこと。

ボディとヘッドの太さは、ポケットの中での違和感につながります。また、クリップとボディの間の摩擦で抜き差しのしにくさもあります。特にスーツを着用するオフィサーには向かないでしょう。
肉厚を重視して光学系が小さくまとめられていて、絶対的な集光性では劣ります。特に都市部の屋外では力負けするように感じられるかもしれません。
全長の短さはメリットでもありますが、手の大きな人や、冬にグローブをした状態での操作を想定すると、開口部を覆ってしまう可能性がありそうです。


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ただそれでも、尋常ならざる耐久性と拡張性の高さは他に選択肢がありません。
電子的にも物理的にもめったなことでは壊れず、バリエーション展開とアクセサリーが多く、自分好みの仕様を見つけやすいのもポイント。特にスイッチやレンズを交換して好みに合わせられるメリットはかなり大きいでしょう。SUREFIRE E1B MVやEDCL-1Tと堂々と肩を並べる信頼性があり、あとはお好みでどれをとっても優劣つけがたいと思います。
1本購入して、細かなカスタマイズにどっぷりとはまってみてください。投資に見合う信頼性を持つライトだと断言いたします。