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ArmyTekは以前から気になってはいたのですが、カタログスペックが(ACEBEAMのように)飛び抜けているわけではないので迷っていました。
ところが、電子部品は日本製、ボディはアメリカでの製造ということでサンプルをとってみると、なかなかよろしいではないですか。というわけで一通りラインナップしてみることにいたしました。

最初にご紹介するのは、フルサイズのタクティカルライト、VIKING PRO と PREDATOR PRO。それぞれ何世代かバリエーションが有るようですが、最新のものになります。
基本的なデザインが同一の兄弟機で、LEDを含めた光学系のみが違うから。VIKINGは大光量系、PREDATORは遠距離系の味付けがされています。


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まずは共通となる外観から見ていきましょう。全長162mm、ヘッド直径41mm、ボディ直径25.4mmと、このクラスとしてはやや長く感じますが、これは長大なディープリフレクターによるものです。
印象的なのはマットな質感で、初期のACEBEAMのようなざらついた肌で高級感があります。なぜかどのブランドも製造を重ねるとツヤ感ある仕上げになっていきますが、Armytekのものは数代に渡って同じような処理のようです。
そして、チェッカリングのないスムーズなデザインも特徴的です。ヘッドやテールスイッチなどの可動部分にはグルーブが掘られていますが、かなり控えめと言っていいでしょう。ざらついた表面処理のおかげもあってそれほど滑りやすくはありませんが、不満な人もいそうです。

部品を付けない状態ではのっぺりとしているのですが、タクティカルリングとクリップを装着するとぐっと精悍になります。また、控えめな滑り止めも一気に解消され、ホールドの良い正統派タクティカルライトに。


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特徴的なテールスイッチ。テールスイッチがゴムブーツであることは必然の結果なのだろうとは思いますが、とにかく摩耗が早いのが悩みどころ。愛用すると1年もしないうちに滑り止めが消えてしまうことさえあります。その割に保証対象になっておらず、純正部品もなければ分解ツールも販売されていなかったりすると、安心して愛用できないことになります。
PREDATOR PRO / VIKING PROのテールスイッチはマグネット充電の受け口を兼ねていますが、金属製とすることで通常の20倍もの耐久性を備えているとのこと。素材の強度を考えれば納得かな。ゴムの摩耗に比較すると、割れは絶対数が少ないので、この構造であれば合理的ですし額面通りの耐久性を期待できます。


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スイッチは電子スイッチなのですが、フォワードクリックの動作が可能。半押しによる一時点灯が可能です。電子スイッチを嫌がる方も多いのですが、クリックスイッチも弱点を抱えているので、品質さえ同等ならば電子スイッチのほうが耐久性は上回ります。問題は、電子スイッチそのものよりも、詰め込み過ぎな設計の方にある気がします・・・。


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先述の通り、マグネット充電器による充電が可能。毎日のようにライトを使用するユーザーには最も嬉しい仕様かと思います。USB系、電池を取り出して充電する系と比較して、手間と「事故」が少なくてすみますよね。充電機能を搭載すると電池が特殊になることも多いのですが、ごくノーマルの18650系電池が使用可能です。ごんぶとのSUREFIRE SF18650Bも入りますので、ほとんどのものは問題ないかと。

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放熱フィンと滑り止めを兼ねているのか・・・ある意味でやる気のない造形のヘッド部分。強く握っても痛くないのでタクティカル系ライトには良いのだと思いますが、メリハリの強いデザインを見慣れてしまっているので・・・。ヘッドとボディの接合もちょっと特殊ですね。この接合だと、このシリーズが要求するヘッドツイストによる操作が楽になります。よく考えられていると思います。

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左、VIKING PRO / XHP50.2
右、PREDATOR PRO / XHP35 HI

リフレクターの仕様もLEDに合っていて、LEDの特性をよくわかった上でデザインされています。もちろん、右のPREDATORが飛び系ですね。ACEBEAMやEAGTACなどではLEDのバリエーションが違っても機種名は同一だったりするので、かなり新鮮です。

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まずは大光量モデルに当たるVIKING PRO。XHP50.2と、異例に深いテクスチャードリフレクターで独特の配光を描きます。LEDが大きいので中心照度はそこまで高く有りません。周辺光の狭さがタクティカル感を増しますね。

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同じく狭い周辺光ながら、中心照度が高いのがPREDATOR PRO。フラットシールのXHP35 HIにスムースリフレクターを合わせています。機種やメーカーによってはちぐはぐななセッティングがされていることもありますが、こういうところが合っていると「わかっているメーカー」感があります。高い集光度と狭い周辺光によって、オーソドックスなタクティカルライトの配向になっています。


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写真はPREDATOR PROのMAIN1。流石に今どきのライトだけあって、多彩なモードを備えています。両機種とも、TURBO、MAIN 1〜3、STROBO 1・2の6モードを搭載。メーカーサイトやムービーによっては違う数字が見られるのですが、実際の操作から判断するとパッケージの表記が最も正しいようです。うーん、こういうところはアメリカンな感じが出ていますね・・・。
これらの6モードを、2つのモードグループ(ARMYTEKではこれをタイプと呼ぶようです)で使い分けます。

タクティカルタイプ TURBO/STROBO 2 または MAIN 1 / STROBO 1
ハンティングタイプ TURBO/MAIN 1・MAIN 2・MAIN 3(・STROBO 2 追加、除外が可能)

これらのモードを、クリックとヘッドツイストで使い分けます。基本的にはヘッドを締めた状態でTURBO、緩めるとそれ以外のモードを使えるということで、いざというときには非常にタクティカルな運用が可能です。基本操作は簡単なのですが、セッティング操作はちょっと複雑なので、別途動画をご覧ください。

アメリカ製の高品質な外装と日本製部品が効いているのか、耐久性がすごい。
・安全浸水深度 25m 5時間 (IP68)
・安全落下高度 25m
・通常動作温度域 -25度〜
・実銃リコイルOK
・10年保証(当店ではとりあえず5年保証にて対応予定です)

普通、IP68またはIPX8というと深度2m・30分程度の性能が普通ですし、落下耐久も2mあれば頭一つ抜けている感じがします。しかし、それを遥かに上回るスペックです。これらが実際にどうであるのかは今後タイムプルーフされるわけですが、少なくとも現時点で納得できる仕上がりには感じられます。

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昨今の売れ筋を見ると、1km超えの照射距離とか、数千ルーメンオーバーとかが主流なのですが、ある程度明るさを抑えて耐久性に振る、という味付けが嫌いではない方も多いハズ。実用するタクティカルライトを探しているのであればぜひArmyTekにご期待ください。