STREAMLIGHT ENDUROというと、ここ1〜2年以内にリニューアルされた比較的新しいモデルです。なので国内防爆バージョンが出たと聞き、「あぁアレか」と思っていたら、ちょっと予想と違うものが届きました。

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どーん。と、上下2段の面構え。予想していたのはこっち↓でした。

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一般使用の小口径ライトの場合、もはやTIRタイプにアドバンテージがあるんじゃないかと思うのですが、なにか意図あってのことなのでしょう。

まぁ、防爆→消防用→「貫通力がないと!」のような連想はこちら側の身勝手であって、実際は例えば油を抜いた石油タンクの点検なども防爆環境(危険雰囲気下)になります。必ずしも防爆=消防ではないわけです。


STREAMLIGHT 054J-A エンデューロプロは、3つのモードを備えています。と言ってもありがちなHIGH-MED-LOWではなく、スポット・ワイド・全点灯の3モード。

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スポット160ルーメン、ワイド160ルーメン、なのに全点灯では235ルーメンというのは計算が合わない気もしますが、照度計で実測すると表記間違いではなく、意図的に明るさを落としているのがわかります。また、表立っての表記はないのですが、スポットは6000K前後、ワイドは5000K前後と色温度が違います。この地味〜な調整にSTREAMLIGHTっぽさを感じてしまいますね。

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スポットは典型的な小口径リフレクタの照射ですね。LEDもまずまず面積があるタイプなのでスポットとはいえ集光性はそこそこです。実はこのリフレクターは上下非対称になっており、下のほうがリフが浅く、周辺光が多いようになっています。このため下方視界に優れ、足元を見やすくなっています。リフレクタータイプはTIRタイプと違い照射が狭いので、至近距離にいる仲間を幻惑する可能性は低くなります。そういう意味でこのモデルはリフタイプなのかなという気がします。

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一方、ワイドはどっぱんと170度近く広く光を放ちます。これはこれで思い切った仕様ですね。あっさーくリフはあるものの、役に立ってるんでしょうかこれ。仮になくても1カンデラも変わらない気がしますが・・・。この配光は作業灯にはありますがヘッドライトではめったに見かけないものです。

この照射は、真正面に壁を見据えて作業するにはもってこいの配光です。例えばマニュアルの手順を確認したり、配管や壁のサビや亀裂をチェックしたりするような場面ですね。中心光が存在しないため、目が疲れにくく、反射光も気になりにくいのが特徴です。こうしてみると、STREAMLIGHTの作るものはやっぱりガチ感がありますね・・・。

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自分一人で行動する場合は、両点灯がやはり便利かな。目がなれるのに合わせて光量は緩やかに減光し、結果的にワイド・スポット・全点灯ともにランタイムはそこまで変わりません。


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防爆ライトなので、危ない場所で危ないことをしないように開閉には六角レンチが必要です。ちょっと面倒くさい気もしますが、安全のため。

使用電池は単4×3本。普段使う分にはエネループなどニッケル水素充電池でもイケます。た・だ・し、防爆認証ライトとして使う場合は、乾電池の指定があります。パナソニックのLR03XJです。いわゆるキンパナですね。パナソニックのアルカリ電池には上位モデルにエボルタシリーズがありますが、こと防爆に関しては電池の指定があり、上位モデルだからOKというわけではないのでご注意ください。このLR03XJが当店ではまだ売ってないんですよね・・・。近々探して掲載したいと思います。


実は防爆認証の取得には莫大なコストが掛かります。ともすれば一企業とはいえ諦めたくなるはずなのですが、頑張ってくれている代理店さんに敬意を評したいと思います。単純な性能比では高価な部類になるのは事実で、「こんなたっけーライト要るかよ」というマニアの心境もよくわかりますが、こういうライトが日本の現場を支えているのもまた事実ですね。


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それにしても、ヘルメットに無骨なデザインとこの赤はよく似合いますな。アメリカ流の質実剛健な防爆ヘッドライト、危険雰囲気下でお仕事される機会がある方はぜひ検討してみてください。