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USポリスメン御用達のフラッシュライト ストリームライト社のスティンガーLEDが新しく生まれ変わりました。既にアカリセンターの当ブログでも紹介されていますが、改めて実機を手にするとスティンガーシリーズの絶え間ない進化の末の完成形ではないかと感じました。

まず、お時間があれば下の二つの動画を見てください。





一つはLE(法執行官)の使用例で、もう一つがメカニックが使っている様子を紹介しております。官と民のどちらでも使えるよ、と紹介しているように思えます。ストリームライトは、実際このように消防や警察などの公務員利用好適品と、ハンティングやインダストリーなどの民生好適品をラインナップに揃える総合フラッシュライトメーカーです。

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今回改めて紹介するスティンガー2020は、歴代のスティンガーシリーズを一新する新商品です。ボディデザインから使用電源まで今風にアップデートされています。
しかし、そのコンセプトは従来モデルを踏襲しております。ユーザーが使いやすいと感じていた普遍的な部分を大事にし、より「仕事でつかえるライト」に生まれ変わりました。

ボディは箱型に変更され、ストリームライトがリリースする18650型リチウムイオン充電池が2本インストールされます。ボディの材質はアルミ合金。耐傷性に優れたブラックHA TYPE3で表面処理されたボディは精悍で誠実な佇まいを見せています。変に流線形にすることもなく、ただひたすら業務を実行するのに適した姿は、実にストリームライトらしいものだと思います。

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スイッチボタンは二ヶ所。テール部とヘッド部にあります。全長200mmのバトンサイズのライトなので、逆手に持って操作するには少々難儀ですが、警官がハンドガンと共に使用するようなスタイルでは、このスイッチが活かされます。もちろん、半押しでのモメンタリー点灯も可能。クリックすると常時点灯します。
スイッチボタン部が微妙に凹んでおり、親指がかかりやすい。細かな仕様ですが、指先でのセンシティブな操作を必要とする状況での利用が想定されており、設計者の配慮が感じられる部分です。

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ヘッドのスイッチボタンも大きく押しやすいものです。順手で握った時や、後述する持ち方をする時に、こちらのスイッチを使います。スイッチの後方は少しえぐられたデザインをしており、指がスっとボタンにかかりやすくなっています。先述のテールスイッチと同様に「押しやすさ」をサポートする大事なデザインです。

スイッチボタンの先にはLO-MED-HIの刻印が入ったセレクターがあり、ON/OFFに関係なく動かすことが出来ます。このメカニカルなレバーセレクターが秀逸。本製品に至るまで、様々なメーカーのライトが「明るさの変え方」つまり調光方法を編み出してきましたが、つまるところ、これが一番分かりやすいと思います。もちろん、ボディサイズやそのライトの運用方法によっては、一つのボタンでやりくりしなければならないこともありますが、スティンガー2020は、バトンサイズという一見中途半端とも思えるボディサイズをユーザビリティのすべてに活かしております。

常時点灯させながら、親指の腹でセレクターを左右に振るだけで調光が出来ます。直観的でしかも確実。LO:100ルーメン、MED:850ルーメン、HI:2200ルーメンという設定も明らかな明るさの違いと実用時のニーズにマッチしたものです。明るさを極限に絞ったモードは無く、積極的に対象を照らすことを目的としたライトです。

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このライトの最もセクシーな部分がココ!
ヘッドとボディの付け根のクビレ。深くえぐられたボディに角は無く、確りと親指と人差し指の間に挟むことが出来ます。このような持ち方をするのであれば、円筒形のボディでも充分であるかも知れません。しかし、ここまで大胆に成型することで、前述のヘッド側のスイッチ操作が各段にしやすくなります。全く違和感のない、どこにもストレスのかからない見事なデザインです。

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充電池とそのカートリッジ
付属するリチウムイオン充電池は、USBケーブルが直刺し出来るタイプが2本。テールスイッチを兼ねたカートリッジに収まっております。電池の取り出しは、テール部にあるバネ式のホッパーを外して行います。テールキャップとボディは丁番で繋がっており、脱落する心配はありません。

テールスイッチを兼ねたカートリッジは補修パーツの一つであると思われます。ストリームライトは、「持続可能なパーツ構成」を重視した設計をしております。仮にスイッチがイカレてもカートリッジを交換するだけで修理が可能です。ポリス編の動画の冒頭を見ると、ヘッド部スイッチに関してもLEDユニットとASSY化されたものなので交換が可能です。まだ発売されたばかりですので、補修パーツの供給は日本の代理店にもないかもしれませんが、いずれ供給されることになり、安心して使い続けることが出来ることになるでしょう。高価であってもプロにストリームライトを薦める最大の理由がこれであると思います。

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充電は専用チャージャーか、USBで。
スティンガー2020は、従来のスティンガー用のチャージャーが使用可能です。つまり、従来型のスティンガーをお持ちの方であれば、充電池付きのライト単体がお買得です。初めてスティンガーを購入することをご検討の方は、チャージャー付をお薦めします。先述のUSB直刺しの充電池が付いておりますが、さすがに充電の度に電池を抜いてケーブルを刺すのも面倒でしょう。スティンガーシリーズの醍醐味の一つが、この専用チャージャーへのマウントです。
ポリスであれば、助手席との間にあるセンターコンソールに取り付け充電しながら移動し、降車時に素早く取り出せるようにしております。
倉庫や工場であれば、壁面に付属するビスで留めるのが一般的です。日本の住環境的にそれが容易くできるかは微妙ですが、ストリームライター(SLユーザーのこと)ならば、是非、試して頂きたい。自宅のそこだけがアメリカンになります(笑)。

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41mmのベゼル部
落としても安心、深く分厚いステンレスベゼルでガラスレンズは守られています。リフレクターは鏡面仕上げ。優れた集光性があるように思えますが、搭載LEDが大きい為、極端にスポットな配光にはなりません。搭載するCREE XHP50.2は大きなLEDですので、集光性はさほど望めません。

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濃密で広い配光
鋭い集光性はないものの、周囲を明るく照らすその能力にはかなり長けております。目の届く範囲を明るく照らすことを目的としたライトなので照射距離としては充分かと思います。何より周辺光が明るく、見やすいのが特徴。極端な集光性を狙ったモデルは、視野が狭くなる弊害があるので、周囲をくまなく捜索するような使い方であれば、こちらの方が見やすいでしょう。

照らされる側に立ってみると、この濃密な光の放射から逃れることは難しく戦意を喪失させるのに充分な効果があります。彼我共に無傷のうちに状況を終了させることがベストであれば、この配光もまた用途に合ったものだと思われます。

無骨なスタイルと誠実な性能。実にストリームライトらしい1本です。これまで電池の性能の為にレイテストな他社製品に比べ、明るさという点では見劣りする部分もあったスティンガーですが、終に真打登場といった感じです。またしばらくはモデルチェンジすることはないでしょう。長く使える相棒としてお薦め致します。