STILETTOPRO_1


懐中電灯ライターのHATTAです。
今はどのメディアでも新型肺炎に関するニュースで溢れておりますね。本当に気が滅入るばかりです。一日も早いそして確実な収束を願うばかりです。今日一日、このブログを御覧頂いた方が、一時でもライトのことだけを考えて頂ければ幸いです。

本日はSUREFIREが今春リリースした新商品SUREFIRE STILETTO PRO(スティレット プロ)をご紹介します。兄弟機であるSTILETTOと同様、充電池がビルトインされたワンピースモデル。「短剣」を意味するスティレットがどのように進化したのか、詳しく見ていきましょう。

STLETTOPRO_2
昨年発売されたSTILETTOに比べ一回り大きくなったPRO。ボディは強化樹脂からアルミ合金へ。放熱を重視した仕様に変わっております。若干重たくなったように感じますが、従来機が79gと異常に軽いのです。重量さはわずか34g。操作性や携帯性を損なうものではありません。

STILETTOPRO_6
全長も若干長くなっております。実測でおよそ5mm程度。厚みはほぼ同じ15mm程度ですが、不思議と厚みを感じます。従来機はテールに向かって幅が細くなったデザインですが、今回のPROはズンドウ。5mmほどPROの方が幅が広く、この差が握ったときの「厚み」の差に感じるのだと思います。握りの厚みが増したからと言って「太い」と感じることはありません。

CLIP
そう感じるのは従来機に比べボディ側面の溝が深く、多く施されているのでより確りと握ることが出来るからです。重量増や幅広を持ちやすさを改善することで補っているようです。

クリップは鋼製の長くて丈夫なもの。ポケットやモールはもちろん、幅広のベルトであっても確りと挿すことが出来ます。さらにPROは付属するレンチでクリップの取り外しが可能。クリップはテール側に移設することが出来、ベゼルダウンで装備することもで出来ます。タクティカルな運用を検討されている方にとっては朗報ではないでしょうか。

STILETTOPRO_3
テールスイッチのボタンも一回り大きく押しやすくなっております。私はこの部分を一番評価したいと思います。二つ持って比べると確実にPROの方が押しやすいと思います。押し感が少し軽いとさえ感じました。テールスイッチは常にタクティカルモード。Hiモードの間欠点灯、さらにトリプルタップで押し続けている限りストロボ点滅を繰り返します。スイッチを放すと消灯。このクイックな動作感が良いですね。

STILETTOPRO_5
充電池はビルトイン。付属するマイクロUSBケーブルで充電可能。内蔵する充電池にリチウムポリマー充電池を採用。短時間での充電が可能です。充電池の交換が手軽にできないのが「ストレス」と感じるか、その必要が無いことが「便利」と感じるかは人それぞれ。STILETTOは、日常使用を視野に入れたタクティカルライトです。毎日が「危機一髪」の人生を送る人は少ないでしょう。普段使いで行くなら便利でローメンテナンスの、ローコストが望まれるはずです。

ボディサイドには、順手持ちで使用するのに便利なスイッチと点灯順をカスタムできるプログラムスイッチが施されております。操作方法が少々複雑なので、ご購入後に付属する日本語説明書を読んでお確かめください。

STILETTOPRO_7
搭載LEDに変更は見られませんがレンズ径はPROの方が広くなっております。レンズの仕様はMAXVISION。ワイド且つ眩しい配光を生み出すタクティカルな仕様です。明るさがアップしているのはLEDがより明るいものに変わった訳ではなく、出力値をアップさせたものと思われます。同じLEDを積んでいても明るさが異なるのは、「どの程度電流を放出させるか」という設定によるものです。ボディ幅が太く長くなったという事は、充電池が若干でも大きくなった可能性もあります。スマホもそうですが、「充電池を使うモバイルデバイス」は大型化しないと性能アップできないのはジレンマを抱えております。STILETTO PROも同様ですね。

STILETTOPRO8
実際に握ってみますとこんな感じ。やはりコンパクト!先述しました通り、私的には握りやすくて、テールスイッチもより押しやすく感じました。フラッシュライトを携帯する上で、どの程度の大きさが許されるかは人それぞれですが、昨今の大型化するスマホに比べたらはるかにコンパクトです。サイズの大型化は実用上全く問題ないと思われます。

STILETTOPRO9
3段階の調光
ディフォルトのプログラミングは、Low→Mid→Hi→消灯→Low...の順でサイクルします。また、一定時間以上常時点灯させたのちにスイッチを押すと、どのモードにあっても消灯します。さらに、何れかのモードで常時点灯させた状態で、テールスイッチを押すとHiモードに必ず入り、テールスイッチから指を放すと消灯します。

Midの300ルーメンではほとんど熱を感じません。もちろん、昨今のタクティカルライトであれば300ルーメン程度はヘッドが熱くなって触れないほどになることはありません。それくらいLEDの効率は以前に比べ良くなっております。そして、連続点灯で使うのであればちょうどよい明るさでもあります。このMidモードの明るさと安定した使い勝手は実に魅力的です。

STILETTOPR10
Hiモード 1000ルーメンの配光。
ワイドで力強い配光です。これまで見てきたMVモデルの多くが800ルーメンでした。それに比べると確かに明るいです。しかし、従来機との違いは中心光の存在感であると思います。これはレンズ径が広がったことによる効果と大きいと思います。遠方照射能力は確実に上がっております。中遠距離での「光の強さ」「暴力性」など形容の仕方はいくらでもあるかと思いますが、それは確実にPROの方が一段階上といった感じです。

STILETTOPRO10
サイズの比較感。左からLEAHTERMAN FREESTYLE CX , カシオ F-91W , STILETTO PRO,スピノサウルスの歯のレプリカ,iphone 11 。おおよそ理解できましたでしょうか?

最後に価格について。正直お高いですね。従来機が800ルーメンでメーカー希望小売価格が21,230円、対してプロがアカリセンターの上代で37,462円。ボディがキャストのアルミ製というのがどうにもコストを上げている要因ではないかと推測します。さらにヘッドのレンズ然り、テールキャップのデザイン変更然り、従来モデルとのパーツの共有性はクリップくらい?つまり、完全な別物なのです。それゆえの価格であることは分かります。しかし、それがマーケットで受け入れられるかは、また別の話です。ただ、それだけの覚悟をもってこの製品をリリースしたことは、その性能からも感じ取ることが出来ると思います。単純に200ルーメン明るくなっただけのアイテムではないことは間違いありません。