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懐中電灯ライターのHATTA です。
本日ご紹介するアイテムは、ライトではありません!
アカリセンターより依頼頂きましたのは、ダットサイト サイトロン SD-33XXです。ダットサイトのレビューは過去にもアカリセンター時代にしたことはありますが、こうして見るのは久しぶりです。サイトロンのダットサイトと言えば、ミリタリーやサバゲー界隈では知らない人はいないであろう、有名ブランドであり、数少ない国産ブランドですね。官給品としての実績を重ねた企業であり、SUREFIREの日本代理店の一つです。そんなこともあり、アカリセンターでもダットサイトを取り扱い始めたようです。

で、懐中電灯専門の私がダットサイトの、しかもサイトロンの製品について色々レビューしたところで、なんら新しい情報をご提供できるとは思えません。しかし、幸いにもサバゲーも趣味として楽しませて頂いているので、それなりの光学機器は触れてきているつもりです。ですので、SD-33XXの詳しいレビューというよりは、1ユーザーとして素直に感じたことを書きたいと思います。

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SD-33XXは、SDシリーズの最新モデル。SD-33Xの派生であり、よりユーザーフレンドリーになったダットサイトだと言えます。ミリタリーモデルのMDシリーズが搭載する自動調光や暗視デバイスを併用することを想定したNVモードの機能を排し、価格的にも、そしてサバゲーユーズ的にも優しいモデルであります。外観では違いが分かりにくいですが、中身はかなり違ったものだと思います。

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まず、これまでのSDシリーズと大きく異なるのが「マウントリングが不要」である点です。SDシリーズは鏡胴径が太く、それに合うマウントリングが別途必要でした。マウントリングも良いものから粗悪なものまでたくさんあり、どんなものを選べば良いかそれなりに知識がいるものでした。しかし、このモデルはブロックマウントが付属します。
鏡胴底面にあるマウントベースに付属のブロックマウントをネジで4点固定し、レイルにマウントさせることが出来ます。取付用のネジは予備も含めて6本、取付用の工具もそれぞれ付属します。ネジの固定は、対角線上に徐々に絞めていくのが基本です。ネジの長さは、この手のアイテムにしてはさほど短くはありませんが、実銃用とは言え、リコイルの激しいトイガンであれば、射撃時の衝撃により緩む可能性はゼロではありません。ご心配であれば、ネジロック等を併用したほうが良さそうです。

また、付属品として遮光用の延長フードと、対物レンズの反射光が漏れるのを防ぐハニカムフィルターがあります。それぞれアルミ製で、本体に装着する場合はフリップアップを外し、前面の飾り環を外す必要があります。飾り環が付いた状態では、ネジ切が合わず付けられません。
ハニカムフィルターはサバゲーでは、BB弾からレンズを守る「防弾」的な用途として使われるかと思います。フードやフィルターのネジのスムーズな適合性は、さすが日本製と思えるものです。

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正確かつ確実な動作性

いわゆる「レプリカモデル」と、このような実銃対応の「実物」の光学機器で大きく違うのは、調整動作が確実である点です。「レプリカモデル」とは側こそ本物っぽくても、中身は玩具です。それを知っていて利用するわけですから、何ら問題ないのですが、それでも残念なものはたくさん見てきました。そもそも壊れる危険性のある光学機器を使う上で、「使い捨て、消耗品、装飾」と認知されているのであれば、レプリカも十分な価値はあります。
しかし、調整ダイヤルのクリック感や、その調整に正確に応える動作感は実物が持つ最大の魅力です。SD-33XXは、ツールレスでドットの上下、左右の調整が可能です。使用する銃器のゼロインを調整する際に実に助かります。コインや専用ツールを使うことなく、簡単に調整できることはユーザーにとってこの上なく便利だと思います。

明るさを調整するダイヤルは側面に付いており、消灯-11段階まで設定が可能。この部分の動作感もしっかりしており、確実な操作が可能になっております。使用電池は2032リチウム電池が1枚。とても軽くコンパクトなボタン型リチウム乾電池です。

回転部はどれも金属製、防塵キャップ等も金属性でネジ切り部の仕上がりも良好です。細かい部分ですが、こういった所まで確り作られているのが良いですね。

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重さと大きさについて

SUREFIRE G2Xとの比較。全長のサイズ感は似ております。
全長116mm × 全幅57mm ブロックマウントを含まない高さ63mm。重さは約260g。
極端にコンパクトだとは思いませんが、リングを使用しないので嵩張らないスタイル。重さも十分に軽く、扱いやすいと思います。

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左が接眼レンズから見たもの、右が対物レンズ側
実際のドットの見え方とは異なりますが、輝点となるドットは一般的なものです。丸ではなく、光の点といった感じです。エッチングされたサイトが光るものではなく、少し滲んだ感じの光の点です。好みはありますが、スタンダードなのものです。

最初に感じたのは、最もドットが暗い1段階でもかなり明るい!ということです。
実銃用のダットサイトの欠点とうか特性として、暗いモードは本当に暗いです。理由は、暗視デバイスとの併用を考慮されているからです。その為、サンサンと太陽が降り注ぐ陽光下では、最も明るいモードでも「輝点が見えない、、、」ということがあります。
ゲームを楽しまれるユーザーが屋内が好きか、屋外が好きかでも評価や使い勝手が違ってきますが、暗視デバイスを使わないのであれば、これくらい明るい方がゲームでの使用には適していると思います。

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トイガンに載せてみました。
ブッシュネルの1-4x 24mmのショートスコープと比較すると、短く、そして軽いです。まぁ、スコープではないので当たり前ですけどね。普段使用しているブッシュネルは、フェイスマスクの都合上マウントベースをかさ上げしております。それもあってか随分と軽く感じました。

付属するブロックマウントは、フェイスマスクを付けないのであれば、私にとってはちょうど良い高さでした。違和感なくエイミングが出来ました。しかし、フェイスマスクの形状によっては、もう少し嵩を増す必要があるかも知れません。レンズ径が従来の30mmから3mmも広い33mmなので、とても明るく自然な見え方です。この明るさは中々素晴らしいです。

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見え方の違い。
実際にエイミングした時とはかなり雰囲気が違いますが、何となく伝われば幸いです(汗)
左がエッチングタイプのブッシュネル1倍の状態、右がサイトロンのSD-33XX。輝点の美しさで言えばエッチングの方が良いと思います。しかし、前述したとおりこの明るさでもかなり明いモードにしております。使用には不自由はないのですが、SD-33XXに比べると暗かったです。ショートスコープの場合、1倍とそれ以上では見え方が違ってくるので一概に比較にはなりませんが、1倍での比較では、SD-33XXのような物の方が見やすいのではないでしょうか?

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暗所、低照度下で効果を発揮するダットサイト。
最も暗いモードでも十分に使え、感覚的に目標をとらえることが出来ます。視野が広く、明るいので、低照度下のインドアゲームでは特に有効、逆に真昼の炎天下であっても遮光フードを併用し、明るいモードで使えば問題なく使えるものと思います。

レンズは高い防水性と耐久性に加え、特殊処理を施した強化ガラスが採用されております。耐衝撃性に優れた仕様です。軍用規格のダットサイトとして信頼性の高いモデルかと思います。国産ブランドだけに随所に丁寧な質感と堅牢さを感じました。
「実物」「官給品」など「ミリタリーのサイトロン」を神格化する方には怒られるかもしれませんが、個人的には実銃用云々は抜きにして見ても、手ごろな価格で購入できるサバゲーに適した最高峰のダットサイトではないかと思います。もちろん、トイガンの価格と比べると些か高すぎる買い物になりますが、それだけの価値のあるものだと言えるのではないでしょうか。