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NITECORE(ナイトコア)HC70 CREE XM-L2 1000lm 2×18650電池 別体式ヘッドランプ

本日はNITECOREのHC70のご紹介です。18650電池を2本搭載するバッテリーケースと、LEDを乗せた本体が別になった別体式のヘッドライトです。
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NITECOREは伝統的に一体式のLEDヘッドライトにこだわりがあり、別体式のものはありませんでした。ちょっと意外な感じはするモデル設定です。

特徴的なそのバッテリーケースから見ていきましょう。
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バッテリーケースはアルミ製。中に18650電池を2本装填するとなかなかの重さがあります。
開閉がちょっと厄介で、付属するツールを使用して開閉します。ツールは普段、マグネットの力で貼り付いています。

これをこのように使用します。
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サイズや形状の問題もあり、あまり使い勝手は良くありません。場合によってはDOOHICKEY ドゥーヒッキー をご用意いただいた方がストレスは少ないかと思います。DOOHICKEYはどの道、ヘッドライトを必要とするシチュエーションでは役に立つアイテムです。

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バッテリーケースと蓋の両方を見ると、シンプルな直列ならば必要のない接点が二つ見えます。おそらくこれはバッテリー電圧監視と充電用の接点かと思われます。なかなか面白い仕組み。大量の電池を使用するEVにも、放電時と充電時で違う回路を使用するものがあります。ハイテク化著しいなと思う反面、安心感もあります。充電池を複数本使用するライトは非常に管理が難しく、特に大人数での業務使用にはまず向きません。HC70のように個別管理がされているバッテリーケースは多くありません。

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バッテリー背面には大型のクリップ。見た目の割には柔軟ですので、力の弱い方でも安心。胸ポケットなどへの固定に役立ちます。ベルトに挟んでも十分な余裕があります。

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電子装備は全て上部に集められています。一番右がHC70本体に接続するUSBメインポート。真ん中にオレンジに光っているのがバッテリー残量インジケーターとバッテリーケースのスイッチ、左のゴムキャップの中に、充電時に使用するマイクロUSBポートとサブUSB出力ポートがあります。
バッテリーインジケーターは3段階。70%以上、35%以上、35%未満。メインスイッチはバッテリーケースの電源をカットすることができます。これとは別にヘッドにもスイッチがあるため、HC70は両方ともONになった時しか点灯しないことになります。

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ヘッドは別体式。ケーブルで接続します。ケーブルはコタツのコードのような繊維で被覆したもの。好みはあるとは思いますが、丈夫さで言えば悪くないかと思います。付属するバンドは3本タイプ。本格的な使用を意図していると思われます。
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バンドには2つのコードホルダーが付属し、本体から出たケーブルの取り回しに使用します。

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リフレクターはヘッドライトとしては大口径で、スムースタイプ。それなりに飛距離があるタイプです。通常ヘッドライトは、拡散系の配光にすることが多いかと思いますので特徴的です。これはスキーやバイク、トレイルランといったスピードスポーツに向いた仕様かと思います。自転車には特に向きますね、視線の方向に強い光を投げかけることができます。

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本体上部にメインスイッチを備えています。操作は他のNITECORE同様、クリックで点灯し、そのままクリックを続けることでLOWER→LOW→MED→HIGH→TURBO→…と移行するお馴染みのものです。後部には深いラジエーターを備えています。LEDに関しては冷やしすぎて問題になることはほとんどないので、しっかりしたベンチレーションは重要です。

HC70本体とバッテリーケースは、メインUSBポートを介して通信しているようです。
メインUSBポートに本体からのケーブルを挿した場合、当然ですがHC70はフルモード・フルスペックで使用できます。しかし、サブUSBを使用した場合、LOWER、LOW、MEDの3モードしか使用できません。これはF1などの他のモバイルバッテリーに繋いだ場合も同様です。

さらにもう一つ、メインUSBポートにHC70を接続している場合は、他の機器への同時給電ができません。ただし、それ以外の場合は同時給電が可能です。
1)HC70をサブUSBポートにつなぎ、メインUSBポートには他の機器をつなぐ
2)どちらのUSBポートもHC70以外の機器をつなぐ
上記の場合は、両者に同時に給電できます。
これはターボモードではおよそ3Aを要求するHC70を考慮して、バッテリーの負荷を低減するためだと思われます。ちょっとまどろっこしいですけどね。売る方としては安心感はあるかな。細かなバッテリーの問題はなかなかご理解いただけません。

同様に、HC70本体での操作では、消灯時に直前の明るさを記憶するモードメモリーは機能しませんが、バッテリーケースでON-OFFすればモードメモリーが働きます。これは他のモバイルバッテリーを使用した場合も同様のようです。

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リフレクタから予測できる通り、配光はかなりシャープです。といっても、NITECOREの1インチクラスと近いレベルかな。スポットすぎて見づらい!ということはありません。

至近距離では中心光が目立ちます。機械の隙間でネジ締めやプラグの接続などを行う場合には、こうしたスポット気味の光の方がやりやすい場合もあります。壁面を一様に照らしたい、塗装などには向きません。何事も向き不向きがあるものかと思います。

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堅牢で多機能なバッテリーケース、USBポートから給電を受けられるヘッドランプ。当初どうかなと思ったのですが、手にしてみると良い印象を受けました。特にバッテリーケースは類似品よりも重いですがフル防水。さらに中の18650を個別管理してくれます。安価なモバイルバッテリーは中の仕様がわからないため、常に不安を感じながらの使用になります。それを考えると、充電器の得意なNITECOREのバッテリーケースには意味があります。ちょっと18650の出し入れに難はありますけどね。

ライト本体の方も、これまで拡散傾向に走りがちだったヘッドライトに対し、十分な飛距離を確保したことで使途が広がったと思います。ディフューザーでの拡散は比較的容易なため、HC70の仕様が気に入った上で拡散光にしたければ、LEEフィルターなどいくつかの手は用意できるかと思います。

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スマッシュヒットを狙えるようなアイテムではないかもしれませんが、抑えるところはきっちりと抑えた堅実なフラッシュライトです。業務やスピードスポーツで使うなら安心感が一番かなと思います。それに応えるヘッドライトですね。

NITECORE(ナイトコア)HC70 CREE XM-L2 1000lm 2×18650電池 別体式ヘッドランプ