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■ OLIGHT(オーライト)X7R MARAUDER マローダー 充電式 CREE XHP70×3 12000lm
本日ご紹介するのはOLIGHT X7R。CREE XHP70を3つ使用し、12000ルーメンを発揮するモンスターマシンです。

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ボディサイズは全長129 mm × ベゼル直径68 mm。テールキャップの直径は53m。「缶ジュースほどのサイズから〜」という謳い文句を描きたくなるようなサイズです。
ただ、重量は中身入りのペットボトルよりも重いため、手にするとずっしりとした感触があります。

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全体的なデザインはモダンな印象。トゲトゲしい部分はなく、溝を多用したシンプルなデザイン。ところどころにあしらわれたPVD処理のOLIGHTブルーが良い雰囲気です。軍事的な印象は薄く、近未来のポリスアイテムという感じ。好みは人それぞれあるかとは思いますが、嫌いな人は少ないデザインではないでしょうか。

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ボディ後部には格納式のラニャードリングが設置されています。ベゼル同様ブルーのPVDコートが施されてオシャレ。ちょっと引き出しにくいのですが、おそらくこれは「どうせ出しっ放しで使うでしょ?」という意図かと思います。通常よりも長いハンドストラップが最初から付属します。古い懐中電灯のように、肩から斜めにかけて使うコンセプトかな? ただ、フックパーツは付属しません。市販のものをご用意ください。

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X7Rはもう一つギミックを備えています。ボディ後端のキャップ部分。ここは通常のテールキャップのように回して外すことはできません。
しかし、わずかに回転させると、底部のシャッターが開いてUSB-Cポートが出現します。
このモーション、ギミックが必要か?と言われれば、間違いなく微妙です。しかし、ゴムキャップタイプよりははるかに高級感があり、持ち主を満足させてくれます。閉じている状態では、そこにUSBポートが設置されているとは思えないスマートなデザイン。
USB-Cの規格はまだ普及してはいませんが、これからの主流になると思われるものです。ケーブルも付属します、問題になることは特にはないかと思います。

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スイッチはヘッド側面にあります。半透明にOの字のロゴマークが入れられていて、スイッチに内蔵しているインジケーターランプからの透過光が多くなるように配慮されています。クリック感は従来よりも硬くしっかりとしています。OLIGHT Sシリーズなどがプチプチとした感触とすれば、X7Rはコキコキとした感触です。周囲は緩やかかつ大きくえぐられていて、誤操作を防いでいます。ボディを握った位置から親指を伸ばすと簡単に届く、悪くない位置にあります。

操作はOLIGHTがお好きであれば簡単に慣れることができるものかと思います。消灯状態からクリックで点灯、点灯中にクリックで消灯。点灯状態から長押しするとLOW-MED-HIGH・・・の順にモードが繰り返し変化し、指を離せばその明るさで固定されます。

消灯状態からの長押しは一番暗いNIGHTLIGHTモードで点灯します。暗いと言っても10ルーメンもありますので、どちらかというとLOWモードに近い役割かな。
ゆっくりとなら確実に歩ける明るさがあり、公称30日点灯できます。ちょっと想像できない点灯時間の長さ。
NIGHTLIGHTモードで点灯してもそのまま長押しを続けると、消灯してロックアウトモードになります。ロックアウトモードでは、クリックしても一瞬点灯するだけで、通常の使用はできなくなります。
運搬中など、誤点灯しては困る状況で活用してください。

ロックアウトモード以外は、どの状態からでもダブルクリックでTURBOモード、さらにダブルクリックでTURBO-Sが発動。同じようにトリプルクリックではSTROBOになります。タクティカル系の操作はショートカットで発動できるのがOLIGHTの操作系の良さかと思います。

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ボディには大容量の充電池を内蔵しています。とりあえずレビュー前に充電を開始しましたが充電時間は長いです(笑)。OLIGHTから正式なバッテリーの使用についてのアナウンスはありませんが、大容量18650電池4本分程度に匹敵する大容量電池を内蔵していると思われます。
ちょっと横着して汎用の充電器に繋いでいましたら、なかなか満充電になりませんでした。汎用のAC-USBアダプタは供給電流1Aに対し、X7R付属のACアダプタは4A。一般的なAC-USBアダプタの倍〜8倍程度の電流になっています。
X7Rを充電するのであれば付属のアダプタの方が早く充電できますが、他の充電式ライトを含めX7R以外のものを充電する際には使用しないよう重々ご注意ください。破損や火災などの恐れがございます。

充電中はスイッチ部の_IMG_9222
バッテリー残量表示と、SUB-Cポート両側のインジケーターランプが点灯して状況を教えてくれます。
スイッチ部のインジケーターランプは充電をしていないときでもバッテリー残量を教えてくれます。ただしX7Rにはモーションセンサーが内蔵されており、電池残量等の表示は、静止している間は表示されない仕様です。動かすと表示が点灯。手に持って使用している間は表示され、据え置きの場合は確認しない限りは表示されない仕様。節電を意識した機能になっています。
モーションセンサーで照度灯を調節するライトは過去にもありましたが、インジケーターの表示を制御するものは初めて。この機能いるのか?という気持ちと、新しいものに触れたという実感の両方があります。
なんというか、時代の流れに取り残された人の感覚(笑)。

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LED素子はCREE XHP70を3灯使用します。近年流行の大型LED。高出力・高効率が魅力ですが、発光面積が広いため集光しにくいという但し書きもつきます。そのためかリフレクターはテクスチャードタイプ。集光性よりも見やすさや照射のなだらかさを優先しています。
左のほうに見えるのは照度センサー。反射光を検知して自動減光してくれます。

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SUREFIREのインテリビームじゃん!と思われた方もいらっしゃると思いますが、その目的は異なります。OLIGHT X7Rの照度制御は、強い反射光を数秒間受け続けて初めて作動します。
また、反射光の検知レベルも、反射面数十センチのレベルでしか動作しません。
つまりこれは、SUREFIREのような「面倒な操作を排除してイージーに見やすさを求める」ものではありません。誤ってHIGH・TURBOモードで机に伏せおきしてしまっても、反射光や熱でLEDにダメージを与えないためのものです。
懐中電灯もついに家電の領域に足を突っ込んできたなあ、、としみじみ感じてしまいます(笑)。

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実際の照射はさすがに強力。1000ルーメンモデルと同じ設定では到底撮影できません。スポット・周辺光ともにワイドで、前方視界全体が明るくなるため非常に使いやすい印象を受けます。
こうした狭い廊下のような状況では、手前から奥まで均一に光が届く非常に使いやすいものです。

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常用できるHIGHモード3000ルーメンでも、バウンス光で明るさを得るには十分すぎるほど。自分も感覚が麻痺していますが、3000ルーメンといえば普通のライトのターボモードに匹敵する明るさですからね。
3000ルーメンもあれば十分すぎるのも当然というのが本来の感覚かと思います。


いくら明るくても、こんなサイズのライト、普段は持ち歩かないよ〜と言われれば、確かにそうかもしれません。1000ルーメン前後とはいえ、コンパクトで明るいライトはずいぶん増えました。
しかし、同じテクノロジーを使用するなら、容量の大きさというアドバンテージは永遠に埋まることのないものです。X7Rは、LED・バッテリー共に、十分すぎるほどの余裕を持っています。
普段使いというよりも、業務に適したライトかもしれません。肩にかけてもかけてもずっしり感はありますが、業務時などのフル装備状態であれば気にならないかと思います。
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例えば照射距離と面積を求められる、インフラ系の工事などには役立ちそう。照射距離、光量、持続時間共に数年前のモデルでは到達し得ない領域にあるかと思います。
そしてその性能を考慮すれば、むしろ小型で軽量と言えるかもしれません。

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OLIGHT X7Rは、色々な意味で、本格的にフラッシュライトの新世代という感じがします。自己完結タイプの高機能は、多かれ少なかれ小型のライト・他社のライトにも波及してくるかと思います。
そうやって家電化したフラッシュライトが、どこまで生き残っていくのかはわかりませんが、これは全ての電気製品が向かう方向性なのかもしれません。

■ OLIGHT(オーライト)X7R MARAUDER マローダー 充電式 CREE XHP70×3 12000lm