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本日の対決は予告の通り、ACEBEAM L16 対 NITECORE TM03です。どちらもハンディタクティカルライトのサイズながら、2000ルーメンを超える明るさを誇るモデルです。CREE XHP70という最新のLEDを搭載、初期状態で専用バッテリーが付属し、サイズも同等・・・。拮抗したスペックとなっています。

■ ACEBEAM(エースビーム)L30 CREE XHP70.2搭載 4000lmタクティカルライト
l30-1


搭載LED:CREE XHP70.2
MAX:4000ルーメン
サイズ:全長162 mm × ヘッド直径48 mm


■ NITECORE (ナイトコア) TM03 CREE XHP70 LED搭載 タクティカルフラッシュライト
tm03-1


搭載LED:Cree XHP70
MAX:2800ルーメン
サイズ:全長159mm × ヘッド直径40mm



【外観編】

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ACEBEAM L16はヘッド直径48mm、全良168mm。
NITECORE TM03はヘッド直径40mm、全長160mm。
フルサイズのタクティカルライトです。このクラスを毎日常時携帯するのは辛いものがあります。
オペレーションの間だけの装着であれば問題はなく、ハンドリングを想定した場合はむしろ使いやすいサイズ感。
がっしりと握って取り回すことができます。

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両者を比較して最も大きな違いはヘッドの直径。スタンダードなサイズに収まっているTM03に対し、L30はミニターボヘッドと呼べるサイズに達しています。
携帯性に影響しますし、後述する照射にも関わってくるかと思います。

デザイン面では、細身でメリハリの効いたL30に対して、マッシブなTM03と言った印象。L30は20700という一回り太い電池を収納しているにもかかわらず、ボディの直径は25.4mm。TM03は28mmあります。

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そのぶん、TM03の肉厚は感動的。LEDLENSERやBIGBLUEでは見ることができる肉厚ですが、中国系ブランドでは比較的珍しいかな。

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意匠そのものにも違いがあり、放熱フィンやチェッカリングなどを比較しても、TM03の方が意外に繊細なデザインとなっています。
また、コンバットリングが初期付属するL30に対し、TM03では後付けもできません。
L30のコンバットリングはネジ式になっていますので、ここが緩んでいるとテールキャップが閉まりきれないことがありますのでご注意ください。
外観の好みは、フラッシュライト選びでは重要な要素ですので、お好みに合わせてご選択いただきたい部分です。

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外観の違い通り、リフレクターもかなり違います。
L30はオーソドックスなスムースリフレクタですが、TM03はテクスチャードタイプ。意外というべきか、サイズが小さなTM03の方が深いリフレクタになっています。
さらに途中で段のある他では見かけないもの。内側のリフレクタはそれほど集光性が高くなく、むしろ散らしているかな? おそらく面積の大きなXHP70に配慮して、どうしても起こりがちな配光の中抜けや素子形状がそのまま投影される特性を軽減したいのだと思います。
結構コストのかかった設計ですよ。

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搭載LEDにも違いがあり、L30はXHP70.2。TM03はXHP70。後発のL30の方がやや新しいLEDを積んでいることになります。
と言ってもこの程度の差であれば、環境やモード設定の方が大きな意味を持ちます。
SUREFIREのラクシオンVをXHP50に載せ替えると、ただそれだけで光量が倍近く増加しますが、そう言うレベルの違いは全くありません。
どちらも見慣れたXP-L、XM-Lと言ったLEDよりもはるかに大きな面積を持ちますので、むしろ配光がどうなるか気になるところです。

【照射編】

誰もが気になるハイパワーライトの醍醐味、照射。
リフレクター形状が特殊なNITECORE TM03はともかくとして、ACEBEAM L30の照射はXM-L / XP-Lを使用した、1インチクラスのライトによく似ています。


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10mの距離ですが、中心光は目立たず、非常に自然な配光です。高望みをしない限り、身の回りのほとんどをこれでこなせる汎用性の高い配光の一つかと思います。
「あれだけのターボヘッドでこんな配光なの?」と思うかもしれませんが、リフレクタとLEDのサイズ比率で性格が決まってきます。
LEDの発行面積サイズを考慮すると、むしろリフレクタは小さめなのかもしれません。

しかし、配光は似ていても、パワーは圧倒的に異なります。

L30_比較

さすがの4000ルーメンと言ったところでしょうか。体感的にも、並べて比較しなくても圧倒的な差を実感できます。スペックシート的にもXHP70.2の能力をフルに使いきるような設定。
20700と言う大型のIMRリチウムマンガン電池を使用していても、この光量は維持できません。カタログ上2分後にターボモードは解除され、2000ルーメンに低下するようです。

一方、TM03の方はどうか?

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明るさ自体はなかなかの物。およそ3000ルーメンというのは納得できる感じ。特徴として、やや配光が狭いことが挙げられます。これはL30よりも狭く深いリフレクタの影響。
一方、周辺光の割に中心光が絞られていないのは、XHP70の面積の大きさの影響があるかと思います。

それでは、直接並べてみましょう。

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明るさはやはりカタログスペックで勝るL30が上回りますが、圧倒的な差というほどではありません。
リフレクターの外観の割には・・・周辺光も大きな差はないかな。
これはTM03の特殊なリフレクタによるものかと思います。内側のリフレクタの反射は、本来の周辺光よりも広い範囲を照らすように設計されているようです。こうした思想の違いは面白い。

一方で中心光は明らかにL30の方がくっきりします。これはそのまま直径の差が出るイメージ。
やはり大口径のリフレクタは相応に聞いていると言って良さそうです。


【操作編】

実はこの2機種は、比較的独特な操作系をもつライトでもあります。

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NITECORE TM03はモードレバーを備えたデュアルスイッチタイプ。メインスイッチで点灯した後は、モードレバーのクリックで調光できます。
さらに、モードレバーのダブルクリックでターボ、長押しでストロボといったタクティカルな操作が可能。さらに、ダブルクリックと長押しは入れ替えも可能です。
この操作はタクティカルな操作で好評のNITECORE P10 / R25系よりも使い勝手が良く、特にストロボを重視する方には最適な操作です。

ネガティブポイントとしては、やはりスイッチ周りの複雑さ。
操作部が2種類あり、さらにレバー軸を支えるガードが立っています。それらの配置に方向性もあるので、とっさの操作が難しい場合もありそう。
さらに、指が大きい方が手袋をしたりするとシビアに影響してきそうですね。

そこに目を瞑ることができれば、非常に軽快なライト。
LOWモードで巡回しつつ、ところどころターボ。とっさにストロボ、といった操作の速さは相当なものがあります。
特に、一旦ターボにした後で、モードレバーを離せば元に戻る(設定にもよります)操作は、緊急事態以外では実に使いやすいものかと思います。


ACEBEAM L30もデュアルスイッチタイプですが、その操作はNITECOREなどに代表される一般的な仕様とは異なります。
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テールスイッチはターボモードオンリーのON-OFF専用。当然フォワードクリックスイッチで半押しが可能ですし、最近一部ブランドが採用している押し面積の広いスイッチ。
基本的に1モードのタクティカル専用ライトとしてオペレーションが可能。
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そのほかのモードはサイドスイッチで操作します。サイドスイッチは電子式スイッチ。クリックで点灯、長押しで調光。点灯中にクリックで消灯。サイドスイッチでの操作はごく一般的。ライトファンならすぐに探し当てられるかと思います。
では、サイドスイッチで点灯中にテールスイッチを操作したら?

ピカッとターボモードが発動、それ以後はサイドスイッチの操作は受け付けなくなり、テールスイッチで消灯することしかできません。
そのため、頻繁にLOWとターボを行き来するような使用には向きません。LOWからターボにしてしまったら、一旦消灯してから再点灯することになります。

全体の操作としては、
TM03 → LOW / MED / HIGH ←→ TURBO / STROBO の行き来が簡単
L30  → LOW / MED / HIGH ←→ TURBO の行き来が面倒
ということですね。その代わり、TURBOオンリーでの操作系はL30が明白に優れていると思います。
ただし、L30にはサイドスイッチのトリプルクリックでストロボ発動、という操作方法もあります。個人的にはあまり現実的な操作だとは思いませんが、こちらであれば握り変える必要もなくLOW〜HIGHとストロボを行き来できます。

もう一つ。重要な要素にLOW〜HIGHまでの 常用モードの明るさも使用感に影響します。
機種名TURBOHIGHMEDLOWLOWERSTROBO
L3040002000100015012000
MT302800135055040-2800

L30は基本的に高めの設定。150ルーメンあればなんでもできるでしょ!という割り切った思想が見えます。LOWER 1ルーメンも備えてはいますが、10〜100ルーメンほどの「いわゆるLOWモード」に相当するモードは存在しません。
一方、TM03の方は、ある程度実用性を感じる割り振り。LOW 40ルーメンで数十時間使えることに安心感を感じるユーザーも多いかと思います。
L30を選んだ場合、予備でもう一本持ちたくなるかな? どうでしょうか。


【その他】
どちらもモダンなライトですが、電池・電源関係では、NITECORE TM03 の方が厳格で、やや窮屈さを感じます。

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専用電池が付属する点はどちらも同じですが、TM03のバッテリーの特殊性は有名。
高い放電性能を誇る一方、専用電池以外では低出力でしか点灯できません。粗悪なリチウムイオンバッテリーを排除する意図だと思われますが、リチウム系電池の流通に問題が多い現状、やや不安も感じます。

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ACEBEAM L30は専用バッテリーに20700サイズを選択。耳慣れない型番です。全長、直径共に18650電池よりも大きく、弊社取扱の一般的な充電器では充電できませんでした。大丈夫だったのはフレキシブルなOLIGHT UCのみ。
ただし、L30は本体に充電機能を備えていますので、基本的には本体で充電してしまえば問題は無いかと思います。業務等で1日数時間以上ライトを使う方には嬉しい仕様。

また、18650電池用のスリーブが付属しますので、こちらを使えばIMR18650電池であれば問題なく使用できます。長さの違いは長くしっかりした内部接点バネでカバーしているようです。また、CR123A×2でも使用可能。ただしHIGH側のモードはかなり出力が落ちるようです。
それでも一通りのモード変更等ができるのは安心感があるかと思います。


【まとめ】

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総合すると、全体的な利便性・性能はACEBEAM L30が上回るとみて良さそうです。とはいえNITECORE TM03が悪いということはなく、あくまでも比較論。
照射はカタログスペック通りか、ややTM03が肉薄していると見ていいでしょう。差はありますが大きな差ではなく味付けの違い程度のもの。
操作系が大きく異なり、ピュアなタクティカルライトとして使用できるL30に対し、ややマルチファンクションなTM03。両者共に操作の速度を重視しつつも、その質は異なります。
どちらが優れているかではなく、どちらがあなたに合うか?という視点になってくると思います。

当店スタッフは・・・あまりストロボを重視しないこともあり、L30派かな。
TM03のオペレーションも魅力的ですけどね。ストロボの利便性が普段発揮しづらいこと、ややテールがごちゃごちゃしてしまうところに苦手意識があります。

ハンディサイズから3000ルーメン前後以上の明るさはなかなかの衝撃。この季節の服装なら、ポケットに突っ込んで持ち出せます。
最近のこのクラスのライトはXHPシリーズが主流になってきました。どこまで進化を続けるのか?ちょっと気になってしまいますね。




■ ACEBEAM(エースビーム)L30 CREE XHP70.2搭載 4000lmタクティカルライト
l30-1



■ NITECORE (ナイトコア) TM03 CREE XHP70 LED搭載 タクティカルフラッシュライト
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