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今週の対決はコンパクトなハンドガンライトの対決です。
いずれのライトもCR123Aではなく、ひとまわり小型のCR2リチウムバッテリーを使用するのが特徴と言えます。

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STREAMLIGHT (ストリームライト) TLR-3 コンパクト レールマウント ウェポンライト
明るさ:125ルーメン
照射時間:1.5時間
全長×全幅 x 全高:68.8mm×30mm×38.4mm
重量:約65.8g (電池含)

INFORCE(インフォース)APLc コンパクトハンドガンマウントライト
明るさ:200ルーメン
照射時間:1.5時間
全長 x 全幅 x ベゼル直径:62mm × 30mm × 22mm
重量:約 54 g(電池込)



【外観編】
外観上やサイズの違いとして、STREAMLIGHT TLR-3の方がボディもリフレクターも大きなサイズになっています。同一クラスのライトながら、受ける印象はずいぶん違います。INFORCE APLcの方はベビーモデルのような雰囲気さえあります。
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どちらも樹脂ボディがベースになっていますが、どことなく金属的な印象を受けるTLR-3に対し、ザ・樹脂という外観のAPLc。
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リフレクタも大口径でスムースなTLR-3と、小口径でテクスチャードタイプのAPLcと、性格がはっきりと分かれます。集光性を狙っているTLR-3、拡散光で近距離での視界を確保したいAPLcといった感じでしょうか。この違いは後々の照射でも大きく違いを生みます。

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銃への装着に関しては、利便性の面ではTLR-3の方が一枚上手。本体左サイドのネジを緩めていくと、そのネジを押すことで反対側のレールを広げることができるようになります。ある程度緩めれば全部外す必要はありません。

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一方APLcはシンプルにネジ止め、ネジの軸自体がレールへの固定を兼ねているので、一度完全に抜き取らなくてはなりません。また、レールの最初の部分からはめ込み、レールに沿って滑らせることでしかレールに噛ませられません。レールに噛み合う顎は稼働せず、ネジを締めた際の樹脂のテンションで固定します。ハンドガンなので大した距離ではないですけどね。

この特徴の違いから、USPシリーズなどレールが閉じているタイプのハンドガンでは、TLR-3(またはTLRシリーズ)しか選択肢がないことがあります。多くのハンドガンを知っている訳ではありませんが、TLR-3には複数のアダプタ(STREAMLIGHTではKEYと呼んでいます)が付属しますが、APLcは何も付属しません。これをどう判断するかは好みによります。APLcのようなシンプルな機構の方が一般的には軽く、故障が少なくメンテナンスも楽、ということになります。その代償として、着脱には手間がかかり機種に制限もあるということです。

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TLR-3は、フルサイズのハンドガンに対してツライチになります。セミコンパクトサイズのハンドガンであれば2cmほど前方に突き出る感じになるかと思います。レイルのノッチ1つ分余裕がありそうですが、スイッチがトリガーガードに当たってしまうためここが限界。ハンドガン側の構造との相性も多少影響するかもしれません。
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一方のAPLcは流石のコンパクトさ。ベゼル面はハンドガンのマズルよりも2cmほど奥まった位置になります。スイッチがトリガーガードにかかっていますが操作上は問題ありません。ただ、この状態では配光の上部が銃本体に遮られて欠けます。気になる場合は1ノッチ分前進させれば解消されますし、本来の装着対象であるセミコンパクトクラスであれば問題にならないかと。


【照射編】

カタログスペック上のデータはSTREAMLIGHT TLR-3が120ルーメン、INFORCE APLが200ルーメン。最近のハンドライトと比較すると非常に控えめなスペックです。樹脂ボディや小さな電池への配慮ですかね。あるいはこのくらいの明るさで十分に機能するという判断なのかもしれません。

TLR-3、5m照射
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TLR-3のベゼル外形は28mm。こう見えて、一般的な1インチサイズのライトよりも大きなヘッドを有していることになります。その分リフレクターも大きく、集光性の高い配光になっています。オーソドックスなタクティカルな配光ですが、見慣れた感じもあり悪くありません。
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一方、APLcのベゼル外径は22mmほど、EDCライトクラスになります。標準的な深さのリフレクタとは思いますが、それほど集光を狙ったものではありません。手元から奥まで均一に照らす、視認性を求めた配光。公称200ルーメン。やはり、全体的な出力はTLR-3よりも出ており、均一に明るい感じです。

ハンドガンにライトを装着した際のテクニックに、光芒の中心をターゲットに合わせて撃つものがあります。レーザーサイトの代わりにフラッシュライトの光を代用するという発想です。その場合はやはりTLR-3の方がターゲットに合わせやすいかな。APLcは4〜5メートルで中心光の存在感が薄くなります。そのぶん、視界全体の視認性は良好。どちらの場合も10mのレンジであれば不足はありません。またサイトがシルエットとして浮き立ち、サイティングはしやすくなります。

スモークの中での照射。
ウェポンライトは比較的スモークの中で使われやすいライトかもしれません。お遊びでも屋内でスモークを炊いたりもしますしね。
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リフレクターと出力の違いを反映して、照射にも差が出ているかと思います。やはり出力低めで集光度を上げた方が光は通りますね。

【操作編】
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STREAMLIGHT TLR-3の操作はいわゆるパドル式。左右どちらからでも類似の操作ができます。押し上げるか、押し下げるかで一時点灯。基本的にはモメンタリ機能のスイッチですが、右を押し下げた状態でさらに強く押すとロックがかかり、常時点灯が可能です。

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一方、APLcはレバー+電子スイッチになっています。TLR-3のような回転方向への動きではなく、銃の中心線方向へ押す形です。左右のどちらからでも同じ操作ができますが、半押しのような状態は存在せず、クリック感があるまで押し込んで初めて点灯します。押し込んですぐに離すと、クリックスイッチのようにそのまま常時点灯になります。また、ホールドしたままにしておくとその間点灯し続け、レバーを離すと同時に消灯する、モメンタリスイッチのような動作をします。


基本操作を押さえた状態でクリアリングごっこを開始。常時点灯してしまうと性能差が出ませんので、モメンタリ点灯させながら在庫の棚の間をさまよってみます。


TLR-3は基本動作がモメンタリなので、特にストレスなくON-OFFを繰り返すことができます。左利きの射手がもっと緊張している場合は、押し込み過ぎてコンスタントONにしてしまうこともあるかもしれませんが、右利き(左手でライト操作)や実戦から程遠いレベルの緊張感では問題なく操作できました。

一方、APLcはやや神経質なところがあります。パッと通路の奥を照らしてすぐに消灯するような場合、クリック(常時点灯)とホールド(一時点灯)のどちらに判定されたか、わからなくなることが結構ありました。隠れたつもりでも点灯したままだったり、次の通路に飛び出してから消灯したり・・・。これは習熟によって慣れるものだと思いますけどね。こうした狭い通路ではなく、広がりのある部屋の場合は確認のために点灯している時間が長くなるため、スムーズにモメンタリとして使えるかと思います。


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ちなみに、どちらもライフルには向かないかな・・・。下に着けたりサイドに着けたりして見たもののスイッチを押す指の位置がどちらもしっくりは来ません。強いて言えばレイルにスイッチが近いAPLcの方が幾分マシかもしれません。ここはやはり専用機の方が秀でていると思います。


【まとめ】
同じようにCR電池を使用した2機種ですが、その目指すものは大きく違ったように感じます。
コンパクトながら性能を追求し、サイズで妥協したSTREAMLIGHT TLR-3。一方、コンパクトなサイズを重視したAPLc。なかなか興味深い対決になりました。

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集光性が高く、操作系も確実なSTREAMLIGHT TLP-3は流石の作り。TLR-1や2も含めれば、海外ドラマなどでもよく登場します。そのぶんサイズ感は大きく、フルサイズ機にも違和感がありません。
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拡散光で視認性の良いAPLcの小ささ・軽さは実に魅力的です。形状も最近のポリマーオートにマッチしており未来的でカッコいいかな。スイッチのモメンタリ・コンスタントの切り替えが時間による自動判別なので多少扱いにくい感じもしましたが、実際のシチュエーションでは問題にならないかと思います。

これまで装着することが難しかったセミコンパクトクラスのハンドガンにライトを装着できるのは魅力。ライトマニアとしては、ハンドガン+タクティカルライトの取り合わせもアリですけどね。やはり銃本体に固定されている方が安心感はありますし、何よりカッコいいです。

APLcは後発になりますのでTLR-3に比べると洗練されたデザインになっていると思います。コンパクト、セミコンパクトが世界的に人気を集める中で当然それに装着するウェポンライトも進化を求められております。しかし、操作性や配光は新旧の如何に関わらず各々のライトが持つ性格であり、特徴です。特に操作系に関してはパテントの都合もあり、他社製品を真似をすることが出来ません。各社苦労しながらそれを研究しているので意外ではありますが操作性に関しては後発の方が苦戦する傾向があります。

ですので、操作性ではTLR-3に軍配が上がります。好みは分かれますがSUREFIRE、STREAMLIGHTの操作性に慣れた人にとってAPLcは多少のトレーニングを要するかも、、、と思いました。新しいことを習得するはそれはそれで楽しいですが、私個人としてはストリームライトの上下のパドルスイッチの方が好みです。

STREAMLIGHT (ストリームライト) TLR-3 コンパクト レールマウント ウェポンライト
INFORCE(インフォース)APLc コンパクトハンドガンマウントライト