ACEBEAM(エースビーム)L16 CREE XHP35搭載 タクティカルフラッシュライト
ACEBEAMの本格派フラッシュライト、L16のご紹介です。なかなか面白い操作系を持つライトです。昨今減少しつつある、本格派のタクティカルライト、かな。
全長155mm、ベゼル直径40mm、ボディ径1インチ。一般的なこのクラスのライトと比較すると少し長いかと思いますが、デザインバランスはむしろ悪くありません。目にした時「おっかっこいい」と感じるデザインをしています。表面処理等は文句なし。マットブラックのHA3は定番の人気カラーです。
ボディは3分割できます。電池は一般的な18650が使用できますが、TURBOを使うにはIMRをご使用いただいた方が良いかと思います。よくわからないよ、とおっしゃる場合には、こちらをご購入いただければ問題ないかと思います。ちょっと通常と異なるのは、内部に導通用のスリーブを内臓しているところ。
ヘッドとボディの継ぎ目はこのようになっています。電池はスリーブによって固定されており、こちらから抜き出すことはできません。ヘッドの方には導通用の接点も確認できます。これにより、後述する多彩な操作や充電機能を実現しています。
ヘッド周辺は大型の放熱フィン。うるさすぎず地味すぎず、悪くない造形かと思います。実際の放熱能力はわかりませんが滑り止めとしても機能し、扱いやすい造形です。
ボディチューブ直径はスタンダードな1インチサイズ。ACEBEAMお得意の鱗状のチェッカリングに覆われています。このチェッカリングは程よく手に馴染み、必要十分に滑り止めの役目を果たしてくれます。意外にボディが短く感じます。これは後述する内部構造の影響を受けているようです。
テールスイッチは突き出したタイプ。若干の突起がテールキャップにありますが、SUREFIRE E2Dシリーズのような激しさはありません。テールスイッチへの過剰な衝撃を緩和したい、程度の突起かと思います。したがってテールスタンドも不可能ですが、タクティカルライトはこれで良いのだ!という感じもします。
全長が長い理由の一つはこの深いリフレクターにあります。集光性を高めるぜ!という目的が伝わってきます。ディープなスムースリフレクタ。ザ・タクティカルライトな要素です。
搭載しているのはCREE XHP35 HI。HIタイプはLEDにドームがなく、比較的側方への光量が大きいのが特徴です。側方への光をリフレクタで跳ね返して集光するため、リフレクタタイプのライトはHIタイプの方が集光性が高まりますが、レンズ式のライトでは逆になります。複合方式のLEDLENSERは・・・どうなるんでしょうね。
やはり周辺光が狭く、タイトな配光。中心光もよく飛びます。最近はフラッド系の配光のタクティカルライトが流行っていますが、スタンダードなタクティカルライトのイメージはまだこうした狭い配光かな。
公称MAX2000ルーメン。実際にそれくらいはありそう・・・かな。
口径、1000lm、CREE XP-L HIのライトと比較するとさすがに一目瞭然の違いはあります。
メーカー公称で603メートルの飛距離を誇ります。相応のパンチ力はある印象。一般的に400メートルクラスのCREE XP-L HIモデルよりも中心光度はありそう。単純に中心光が高い方が遠くまで「見やすい」というわけではありませんが、良好な集光性は疑う余地はありません。
撮影はLOWモード。こうした霧の中でも比較的よく通る部類になると思います。と言っても、リフレクター方式や白色光に由来する限界はあると思いますけどね。この程度の部屋とスモーク状況であれば、MAXにすればたちどころに部屋中が明るくなります。
非常にタクティカルなことに、L16のテールスイッチはターボモードオンリー。ON-OFFのみを司ります。CREE XHP35の大光量、ディープなスムースリフレクタを存分に活かしてタクティカルな行動をとることができます。テールスイッチで点灯した場合、サイドスイッチは機能しません。
モダンなタクティカルライトですから、そのほかのモードも当然備えています。ターボ以外のモードを使用する際はサイドスイッチの出番。消灯状態からクリックで前回使ったモード、もしくは長押しでFireflyモードが点灯します。点灯中の長押しでFirefly→Low→Med→High→・・・と順に明るさが変化します。ただ、LOWでも150ルーメンとかなりの明るめの設定です。どちらかというと普段使いよりも本気のタクティカルという印象を受けるモード設定になっています。サイドスイッチで点灯した後でテールスイッチを操作すると、その後はテールスイッチが支配的になります。一旦消灯して、サイドスイッチで再点灯しない限り調光等はできません。
いわばノーマルモードとバトルモードを完全に切り替える仕様です。先日ご紹介したKLARUS XT11系は相互の操作が可能でした。好みの差はあるかと思いますが、個人的にはL16の割り切りの良い操作系の方が好ましいかな。ただ、ストロボを重視する方は別ですけどね。その場合はテールスイッチにモードレバーがある機種の方が適しています。
モダンライトらしく充電機能を搭載。マイクロUSBカーブルで充電できます。機能面ではUSB-Cの方が望ましいと思いますが、現在の普及状況であればこの仕様の方が汎用性が高いかな。
一点注意事項があります。L16はヘッドを緩めると物理的なロックアウトが可能(機能的にはサイドスイッチの3秒長押しでもロック&解除できます)。しかし、物理的なロックアウト状態では充電ができません。充電ができないにもかかわらず、充電インジケーターはグリーンに点灯します。充電中の点灯はレッドです。
「充電ランプがグリーンに点灯しているのに充電できてない!」
なんてことがありましたら、まずはヘッドがちゃんと閉まっているかどうかを確認してください。ちなみに、充電中にも点灯は可能です。電池に強い負荷がかかるのでオススメはいませんが、LOWぐらいなら大丈夫かな?という気もします。いざという時には使えるかもしれません。が、くれぐれもオススメはいたしません。
かっこよく、よく飛ぶ、タクティカルに使えるライトです。
「タクティカルライトの真髄はシングルモードでしょ!(でも汎用性も欲しいな)」
という要望のある方にはオススメできるかな。2000ルーメンのタクティカルライトの性能を使い切るのは難しいですけどね、満足感の高いライトかと思いますよ。
ACEBEAM(エースビーム)L16 CREE XHP35搭載 タクティカルフラッシュライト