STREAMLIGHT (ストリームライト) 119 VANTAGE180 バンテージ ヘルメット/アングル LEDライト
FIRST-LIGHT USA (ファーストライト) TORQ トルク 単三電池2本使用 LEDタクティカルライト
アカリセンターのHATTAです。本日は対決企画です。いろいろなライトをこれまでにも比較してきましたが、今回はボディが変形する「ちょっと変わったライト」同士の対決です。形が変わると言っても劇的なものではありません。せいぜい首が回るとかその程度の物ですが、変形することでどんなメリットがあるのか?そんな部分も含めて二つのライトを比較、ご紹介致します。
・バンテージ180はCR123電池2本使用(※16650充電池でも使えました)、TORQは単三電池2本です。
今回対決するストリームライトのバンテージ180、ファーストライトUSAのトルク共にアメリカンブランドです。ストリームライトは米国では屈指の総合ライトメーカーなのに対して、ファーストライトは実にマイナーな新興ブランドです。他人と同じ事を作っては激戦区の北米市場では生き残れません。ファーストライトは独自の形状と理念の下、ユニークで多機能なL字型のライトを作り続けております。
ストリームライトも2017年に入ってかなり攻めたデザインと機能を持ったライトを次々とリリースしております。なかでもフルモデルチェンジした「バンテージ」の変り様には驚きました。
バンテージ180は主に消防用として想定されたライトです。分類的にはハンディではなく「ヘッドランプ」になりますが、マルチロールモデルといっても良いほど様々な部位に装着可能なのが特徴です。L字にすると基本的に胸に付けてハンズフリーで使用します。付属するヘルメットマウントを利用して消防用ヘルメットにマウントが出来ます。向こうのファイアーレスキューは正中にランプを配置するのではなく、サイドに付けたがりますよね。L字でも直線でもハンディで握りやすいサイズとデザインをしております。
面白いのはヘッドを動かすと後方にあるサブLEDの色が変ります。直線の状態では青に光り、L字の状態では白色光が点灯します。サブLEDは基本的にメインLEDと同時に点灯します。直線の状態ではヘルメットライトとして使われることが前提となっておりますので、後方にいる仲間に自身の位置を知らせるためです。L字の時の白色光は足元を照らす為のものです。意外と明るく、そして広く照らしてくれます。胸に付けたときに手元、足元を同時に照らすので書類の確認や、足元の障害物の確認など様々なシーンが考慮されております。
なお、このサブLEDはスイッチを長押しすることで消灯させることが出来ます。再度サブLEDを点灯するようにさせるには再び長押しとなります。
ストリームライトがファイアーレスキューのイメージが強いのに対して、ファーストライトはミリタリー・タクティカルのカテゴリーになります。グリップ型のボディに320度回転可能なヘッドが付いており、左右に自在に頭を振ることができます。ライトを手に持つのではなく、ハーネスやベルトに付属のクリップや別売のアクセサリーに装着することで左右の首の振りが上下になり、バンテージ180と同じようにハンズフリーで使えるライトに変身します。
売り先のカテゴリーが違うにしろ、両者は似た性質を持つライトです。それは「変形」することでハンディライトとしてだけでなく様々な部位への装着を可能としている点です。また、ボディの構成素材の多くに樹脂が多用されております。
アルミ合金など金属製のボディでは重くなってしまい、丸棒のマテリアルから製作するには不向きなど、様々なデメリットがあるので自由に形状を変えることができる樹脂がボディ素材として選ばれていると思います。耐衝撃性や耐食性など一部金属よりも優れている点もあります。
そんな二点のライトですが、「スイッチ」つまり操作性に大きな違いがあります。バンテージ180はボディサイドにあり、プッシュ式の一個あるだけです。1プッシュでHi点灯、2プッシュでLow点灯、3プッシュで消灯します。メモリー機能はなく常にHiモードより点灯します。単純明快な操作感です。
対するトルクは大小合わせて3個もあります。
このスイッチの多さはその多機能性が故のものであり、不必要なものはありません。また、親指1本ですべてのスイッチにアクセス可能な合理的な配置になっております。
とは言え、、、多いですよね(笑)。メインの間欠点灯のスイッチが一番大きく押し易くなっておりますので、タクティカルライトとしての本分は全うしていると思います。素早く押せますし、素早く消灯が可能。常時点灯やサブLEDなどの点灯、調光を残り二つの小さなボタンに分けたのは合理的な判断だと思います。一つのスイッチボタンを駆使してモードを切り替えるより使い易いと思います。
トルクにはベゼル周りに赤、青、緑の三色のサブLEDがあります。それぞれ3段階の調光が可能。消灯時の明るさと色を記憶する機能もあります。トルクには他にIR(不可視赤外線)LEDが搭載されたNVというミリタリーモデルも存在します。
照射システムに大きな違いあり。
バンテージ180はレンズによる集光系、トルクはスムースリフレクターによる集光系。同じ集光系でも光りの出方、見え方は異なります。バンテージ180のレンズ径は22.5mm、トルクは19mm レンズとリフの違いになりますのでベゼル径はさほど比較になりませんが、存外にトルクのリフは深く、狭角です。実際の照射でも鋭い中心光を得ることが出来ます。対してバンテージ180はややワイドな太い光軸配光となります。同社ではこのモデルよりも狭角でビーム状の光りが出るモデルが存在しますので、それと比べると「ワイドだな」という感想になります。
風防レンズはどちらも耐衝撃性に優れたポリカーボネートが使用されております。実用性重視って感じですね。
スモークを媒介して光軸の確認
バンテージ180は太い光軸、その光軸から漏れ出る周辺光といった感じ。そしてL字にした場合、下方を照らす白色のサブLEDが足元を照らし進路の確保をします。対してトルクは細く絞られた中心光と薄い周辺光というオーソドックスなものです。
バンテージ180 Hiモード250ルーメン
距離10mで光りはかなり広がり狭角なスポット光とはいえないほど広く明るく照らすことができます。もちろん、距離が離れればさらに中心光は広がり拡散していきます。レンズ式の配光と聞くと中心部だけが明るいものを想像しがちですが、実際には「ある程度」から光りが散るよう設定されているものが多いように思えます。特に目的がはっきりとした専用ライトにその傾向が見られます。メーカーが想定したそのライトが最大の性能を発揮しえる「距離」が予め設定されているようにさえ思えます。
トルク Hiモード155ルーメン
リフレクターとLEDの相性が良い為か、非常に素直で綺麗な配光になります。周辺光の広さと程よい明るさは周囲の状況を確認するのに充分なものであり、鋭い中心光は250ルーメンのバンテージ180に劣らぬ照射性能を持ちます。電源が単三電池2本で155ルーメンであればちょうど良いくらいの明るさであり、無駄がない効率的な照射が可能です。タクティカルライト=ハイルーメンという考え方は必ずしも当てはまりません。このライトも想定としては10m以内の距離でその効果が充分に発揮できることを想定されているように思えます。
どちらのライトもミドルレンジでの使用に長けたモデルだと思います。角ばったボディとギミックに溢れる可動部は男心をくすぐるものがあります。しかし、比較する上で一番気になったのは「どこまでこの製品の魅力を伝えられるか」という点です。
特にトルク、これは相当の説明を必要とします。こんなことを言うと驕りと思われるかも知れませんが、このライトを店先に置くだけでお客様が理解して買っていただくことは難しいでしょう。理解するのにあまりに時間を要するのではないかと思います。そういった理解したり、慣れたりする過程が好きな方であれば、「面白い!」とか「かっこいい!」と思うかも知れません。要するにマニア向きです。
対するバンテージ180は機械的な機能こそトルクに近い存在ですが、操作性の簡単さで言えばこちらが優れます。バンテージ180は特定目的のライトであり、それを使うユーザーに合わせたオペレーションになっております。しかし、その簡単な操作性は「それ以外」のユーザーに対してもフレンドリーなものだと思います。そういった意味でバンテージ180の方が懐中電灯としては扱いやすい、と思いました。
何れのライトにしても棒状のハンディライトに比べると非常にニッチな製品ではあります。しかし、懐中電灯は棒状の物だけではない、こんな使い方も出来るんだ!と発見があるのも魅力の一つです。
今回も紹介商品を来週水曜25日正午までセールを行います。気になった方は是非チェックしてみてください!
STREAMLIGHT (ストリームライト) 119 VANTAGE180 バンテージ ヘルメット/アングル LEDライト
FIRST-LIGHT USA (ファーストライト) TORQ トルク 単三電池2本使用 LEDタクティカルライト