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SUREFIRE(シュアファイア)G2Z-MV G2Z CombatLight MaxVision コンバットライト マックスビジョン

アカリセンターのHATTAです。日本でもリリースの始まりましたSUREFIREの新作 G2Z-MVの配光とその真価について他社製品と比べながら紹介いたします。今回は単にG2Z-MVの配光に限らず輝度(眩しさ)についても触れてみたいと思います。

まず、G2Z-MVですがこれまでの集光系のTIRレンズやパラボラ型のリフレクターとも異なる特殊なデザインのレンズを搭載しております。口径も小さく「あまり光が飛ばなさそう」と想像される方も多いでしょう。実際G2Z-MVの光はそんなに飛びません。昨今のタクティカル系のライトやウェポンライトでは照射角を細く絞ったスポットなモデルが主流でしたが、G2Z-MVの配光はそれと逆行するものです。しかし、G2Zはそのスタイルから分かります通りバリバリのタクティカルライトです。

「タクティカルライトっぽくない配光、全然シュアファイアらいしくない!」と疑問に思ったり、落胆された方もいらっしゃるかも知れません。しかし!然に非ず!この配光がどのような意味を持つのかその光を「実際に喰らって」確認してみました。

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比較しましたライトは敢えてルーメンの異なる2つのライトをチョイス。明るさの指標としてすっかり定着したルーメンですが、「ルーメンが高いほど明るいんでしょ?」とご質問を受けると「その通りです」とお答えするのですが、眩しさとなると話は別です。タクティカルライトにとって眩しさは力です。照射対象の視界を瞬時に奪うだけでなく、行動を遅らせたり、抵抗の意思を喪失させる効果があります。対象を直接傷つけることなくそれらの効果が得られるアイテムはライトの他にありません。ミリタリーでは不可視光がメインであり、強烈な可視光はどちらかと言えば警察等の法執行官や民生利用が主体であります。ですので、G2Z-MVも後者での利用が想定されていると思われます。

比較しますライトについても簡単に紹介します。LED LENSER P7Rは18650形のリチウムイオン充電池を使用した同社では初となる1000ルーメンを放つ強力なモデルです。LED LENSER製品はヘッドが前後に可動し、照射角をシームレスに調整出来るのが最大の特徴です。ワイドにした時とスポットにした時では見え方も眩しさも全然違います。

同じくSUREFIREからは少し前のモデルであるEB1 BACKUPを選択。TIRレンズを搭載した人気シリーズの一つで明るさは200ルーメンとなります。昨今の単セルコンパクトライトと比較すると「イマイチ」に思える数値ですがどうでしょうか?

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まずは一人称での照射イメージ。
P7Rはスポットとワイドと両方撮影しました。スポットに絞った1000ルーメンのP7Rは流石に中心光の明るさが目立ちます。ワイドでは均一でフラットな配光ですが、中心部分は奥の棚を手前の棚ほど明るく照らすことが出来ません。

次にEB1は中心光が明るく、やんわりと周辺光も発生します。ただ、光の殆どは中心光へと集約されます。200ルーメンという数値の割には明るいと思いますね。

最後にG2Z-MVですが、P7Rのワイドよりも若干狭いくらいの配光です。しかし、中心部分の奥の棚を照らす明るさはこちらの方が明るく感じました。近距離の光もボリューム感がありこの距離ではどこにも死角が無い配光となりました。

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本題の「眩しさ」について。最初に直視の眩しさについてです。照射対象の目をバッチリと捉えた瞬間と言ったらよいでしょうか?照らされる側に立った時にこのように見えます。

P7Rのスポットは流石に眩しいことこの上ないです。しかし、ワイドにする全くとは言いませんが眩しくなくなります。先に紹介した一人称の照射のときも説明しましたが中心付近の光は弱くなる傾向があり、真正面からでは逆に眩しくは感じませんでした。

特筆すべきはEB1でしょう。200ルーメンですがこの眩しさです。レンズ系、特にTIRレンズによる眩しさはルーメンにさほど関係なく実に不愉快な眩しさです。

G2Z-MVも眩しいですが、TIRと比べると少し弱く感じました。と言っても充分不快で直視し難い眩しさでした。

ルーメンと眩しさは端的に関係がありあせん。全く比例しないんですね。これは照射距離に関しても言えることですが、使用するライトの「目的、用途」に応じて多くのメーカーがそれに最適なレンズやリフレクターを組み合わせてくるのです。ルーメン数だけを見てそのライトの性能を断ずるのは残念なことだと思います。

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マックスビジョンの真価はこれです。最後に「外れた時」の眩しさです。
先ほどの正面よりも2mほど横にずれた状態で光源にレンズを向けずに正面を向いた状態での眩しさです。

LED LENSERのスポットやSUREFIREのTIRでは外れてしまうと全く眩しくありません。正確に対象を捉えなければその強力な輝度を活かすことができないのです。

LED LENSERのワイドもこの位置では結構眩しく感じましたが、G2Z-MVほどではありませんでした。P7Rのアドバンストフォーカスのワイドとはまた違った質の眩しさです。照らされる側に立つとSUREFIREの方が嫌な感じでしたね(笑)。

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中心から逸れた場所に居ても光源側を見ると酷く眩しいです。暗い場所では光のあるところに自然と視線がいってしまいます。真っ暗なところで急にこの閃光が現れたら驚くことでしょう。

G2Z-MVがタクティカルライトたる所以はそのボディの外観だけに非ず。近距離での広い配光と「多少外しても」リカバーできるだけの強烈な眩しさを得ることが出来るのがこのマックスビジョンの売りのようです。スポットな光を正確かつ一発で対象に照射することは思いの外難しく、屋内などの狭い環境下では尚更難しいものになります。G2Z-MVの配光はタクティカルライトの扱いに慣れていないユーザーにもフレンドリーなものだと思いました。また、軍や警察などの官公庁用のラインは維持しつつも、新製品に関しては民生使用にシフトしつつあるSUREFIREの戦略が垣間見れたものでした。


SUREFIRE(シュアファイア)G2Z-MV G2Z CombatLight MaxVision コンバットライト マックスビジョン

LED LENSER (レッドレンザー) P7R 充電式 LEDライト

EB1よりも明るいTIR使用の単セルライト SUREFIRE E1DL-A LED DEFENDER