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STREAMLIGHT (ストリームライト) 099 SURVIVOR サバイバー IEC防爆ライト

本日そして本年最後にご紹介するライトはストリームライトの新型防爆ライト「サバイバー」のでございます。旧型のサバイバーが生産終了してしばらくしてからのリリースとなります。このままこのシリーズのモデルはナックルヘッドで統一されるかと思いましたがそうではなさそうです。今回リリースされた新型サバイバーは非常に用途が「特化」したアイテムとなります。

サバイバーというライトについて簡単にご紹介します。このライトは消防士が装備する個人携帯用のライトの一つ。消防車用の標準装備品ライトとしてアメリカNFPAから認定を受けております。

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旧型のサバイバーは「広く、深い」スムースリフレクターを装備したモデルでした。このリフレクターにより光りを集光し煙の中での透過性を図ったモデルです。その性能は同型の製品が少ないこのカテゴリーでは非常に優秀なアイテムの一つでしたが、欠点となる部分もありました。それがこの集光の肝であるリフレクターです。サバイバーはL字型のライトになりますが、ヘッドが大きく前に突き出しているのでどうしてもボディの割りに嵩張り、リフレクター部分を何かにヒットさせる可能性があります。新型サバイバーはこの点を大幅に改善しました。TIR光学レンズを採用し、前方への突き出しを最小限に抑えております。

また、リフレクターゆえにいくら集光しても「周辺光」が発生してしまいます。この周辺光が火災の煙の猛威の前ではそれ自体が「脅威」となります。その詳細については後ほどご紹介します。

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製品の特徴に戻ります。サバイバーには大型のクリップが背面に付きます。クリップはバネで開閉が可能。かなり幅広のベルトやハーネスにも対応します。また、今回のモデルからDリングが追加され、カラビナ等で引っ掛け易くなっております。

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スイッチボタンは従来どおりボディ上面にあります。耐火用の分厚いグローブをしていても操作しやすい大きなスイッチボタンが特徴です。点灯モードはHi、Low、点滅、ムーンライトの4モード。状況に合わせて明るさを変えることが出来ます。スイッチを1回押すと点灯。常にHiモードより点灯します。消灯は再度上部スイッチを押します。スイッチを1秒間長押しでLowモード、2秒間の長押しで点滅モードになります。さらに8秒間長押しでムーンライトの長時間点灯モードになります。基本的にはHiモードから始まりますのでユーザーにとっては非常に簡単な操作性かと思います。

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充電池はサバイバー専用のものを使用。今回のモデルからリチウムイオン充電池になっております。繰り返し充電により強く、ハイパワーの維持にも優れた充電池です。また、サバイバーは防爆ライトになりますが、使用する電池によって温度レーティングが異なります。この専用充電池を使用すると200℃の環境下まで使用が可能になり、付属する乾電池カートリッジで乾電池使用の場合は135℃までとなります。基本的には充電池使用が推奨されております。サバイバーは充電池を本体に装填したまま付属の専用チャージャーに挿して充電を行いますので、充電池が消耗視して交換の時期を迎えるか、出先で充電池が切れてしまって乾電池カートリッジを使用する以外取り出すことがありません。

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面白い付属品があります。それが「スモークカッタープラグ」なるアイテムです。黒とアンバーの二種類の丸い樹脂製のキャップのようなものなのですが、これをフェイスキャップを外してTIRレンズの中央にある窪みに落とし込んで使用します。このプラグをつけることでTIRレンズと言えどわずかに発生する周辺光をカットし、より集光に優れた配光にします。とは言え、、、煙のない環境下ではさほどの違いが確認できません。「違うっちゃー違うかな?」くらいかな。基本的にはプラグを装着することで煙を媒介とするグレアを抑え、より優れた透煙性を得る為のアイテムです。効果はアンバー、ブラックの順で強くなります。

中心部分にこんなものを付けて配光の中心に影が出来るのではないかと心配しましたが、不思議なことに全くそのような影は発生しません。

さて、それでは先にご紹介した「周辺光」が煙の中でどのような悪影響を及ぼすか、その照射事例を行ってみました。スモークカッタープラグを装着しなくても十二分過ぎるほど狭角な配光です。しかし、このライトのルーメン値はわずか175ルーメンです。同じ電圧の同じ程度の容量の電池を使ったライトであれば他にも500だ、1000だと巨大な数値が示されたライトはいくらでも存在しますが、それらが煙の中ではなんら意味が無いことも分かるでしょう。

比較しますライトは300ルーメンを超えるリフレクタータイプのフラッシュライトです。通常であれば充分に明るく、数値を比較しても175ルーメンのライトよりもずっと明るく感じることでしょう。周辺光も充分に明るく、普段使いでは明るすぎるくらいのスペックを持ったモデルです。

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照射距離は約5m。まずは薄く煙を張った状態。これくらいであればリフレクターモデルの周辺光はさほど邪魔なものではありません。むしろ照射面が広く見え易いと思います。それに比べサバイバーの狭いこと!

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しかし、さらに煙の濃度を濃くしていくとリフレクターモデルでは全く先を照らすことが出来なくなりました。眼前に漂う煙に光が反射し全体がホワイトアウトしたような状態になります。こうなってはリフレクターモデル、特に拡散タイプのライトでは全く用を足しません。これはルーメンが高くとも改善されるものではありません。むしろ明るければ明るいほど眩しく感じることでしょう。そしてこのサバイバーが使用される環境は後者のような環境である可能性が高いのも事実です。

対してサバイバーは微かですが5m先の窓の辺りを照らすことが出来ます。煙を抜けることで白色から青い光りは失われオレンジ色になっています。これは煙がプリズム効果により分散した為と思われます。とまぁ、このようにルーメン値の低いライトのサバイバーの方が「使える」という訳です。明るさよりも配光が重要であることが分かるかと思います。しかし、これは煙の中という極めて特殊な環境下での話。一般的にこのライトを懐中電灯として使うことを考えるのはナンセンスであり、消防用や防爆環境下での使用に特化したライトであることをご承知下さい。


大手ならではのカッコいいPVが公開されております。自分が使用することは恐らく無いであろう、いや、あって欲しくない状況ではありますが、やたら魅力的に見えてしまうのはライト好きであれば多少はあるのではないでしょうか?もちろん、本職の消防士の方には大いにおススメしたいアイテムの一つです。

STREAMLIGHT (ストリームライト) 099 SURVIVOR サバイバー IEC防爆ライト