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H2T 燈(ともしび) 6V P60互換 ドロップインLEDモジュール

拡散玉屋さんとしてお馴染のH2Tから面白い商品が入荷しました。SUREFIRE社の6Pに代表されるCR123A 2本使用の6Vタイプのライトに装填可能なドロップインモジュールです。現行発売されております。6PXやFURYなどヘッドが外せないモデルにはご使用出来ません。旧来のP60キセノンバルブか、P60L LEDモジュールを使用しているモデルで使えます。

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この白い物体。通常のドロップインのLEDモジュールであれば、アルミ製のリフレクターの中にLEDが収まっている訳ですが、この燈(ともしび)は全体が樹脂で覆われております。リフレクターは無いに等しいくらい浅く、中心に日亜製の5mm球が1灯ちょこんと顔を出しております。おおよそ高ルーメンの期待出来ないユルい姿をしております。このギャグのような製品、実はなかなか凄いんです。

H2Tがこのモジュールをリリースしたことには意味があります。今後、H2TはYS CUSTOMのようなLEDモジュールを生産する予定であるそうです。その規模や種類については未定のようですが、面白いものを作ると言っておりました。その第一弾となるのがこの燈なる商品。まさに「ともしび」と言った感じの明るくない光です。逆にいえばほとんど熱を出しません。これまで拡散玉屋さんとして樹脂を削り続けてきたH2Tがその技術を活かしてLEDモジュールのボディを削り出し、超長時間使用可能なLEDモジュールを作成しました。

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SUREFIREの光源と言えばハイスペックでハイエンドなモノが相応しいと思われがちでしたが、YS CUSTOMのようなカスタムメーカーが登場して以降、そのイメージから解放されたように思えます。エンドユーザーが自由で奔放なニーズをメーカーにぶつけそれに応じた様々な種類のアイテムが生み出されました。残念ながらSUREFIRE自体はその方向とは真逆の選択をし、この市場は残された遺産のみで楽しむだけの超絶ニッチな市場になってしまいました。あえてその市場に漕ぎ出たH2Tの船出は「勇気」という言葉以外に形容するものがありません。それは一つ間違えれば「無謀」であり、失敗に繋がる危険をはらみます。そんな大事な初めの一歩にこの商品を持ってきたH2Tのユーモアのセンスに脱帽です。

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リフがなくしかもルーメン値も高くないので光は前にほとんど飛びません。しかし代わりにものすごく広角に拡散します。そしてその配光は美しく、周囲が暗ければ暗いほどその配光の広さにあなたは驚かれるはずです。SUREFIREに入れているのに全く連続点灯させてもストレスを感じさせないこの安心感!明るいモジュールを普段入れて使っている方であれば思わず笑ってしまうほど光は前へ飛びません。手元、良くて足元を照らす程度の光になります。

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電球色の17ルーメンですが、わずか5mちょっと先を照らしてもこんな具合です。みなさんのご覧になっているモニターの設定によっては全く何も映っていないかもしれませんね。闇に吸いこまれるように消えていく光を見ていると心細いことこの上ないです。

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しかし、照射範囲は広いのです。使用する場所が狭い場所であれば充分に使える程度の明るさになります。特に電球色のこの切なくなるような明るさは郷愁すら感じてしまいます。

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こちらは昼白色。エレベーターのコンソールパネルまで1m程度です。非常に至近距離からの照射ですが、全くと言っていいほど中心光が存在しません。しかし、照射範囲は広く全体を照らしております。ディヒューザー要らずのこの超ワイド配光は狭い場所で作業する時にその真価を発揮します。対象を面で捉え、視界の隅々までを眩しくない程度の光で照らす独特の配光。もし、あなたがSUREFIREを近い距離でハンドツールと共に使っているのであれば、このLEDモジュールは決してギャグではないと思うことでしょう。極めて実用的で用途にあった製品になるはずです。

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消灯した時に見えるちょっとしたサプライズ。LEDが埋没している辺りに畜光剤があり、ほのかに緑色に光ります。そんなに長々と光っているものではありませんが、なんか嬉しいんですよね、これって。

H2Tの燈はこんな製品です。しかも、職人による手作りのハンドメイドアイテムにも関わらず、販促品と言うこともあり価格も抑えられております。まずは手に取っていただいてその面白さを体感していただきたいと思います。今後の展開が楽しみなメーカーだと思います。

H2T 燈(ともしび) 6V P60互換 ドロップインLEDモジュール