TMRRT-1

お盆休みに入る前にこれは宿題だなと思っていたことを先に書いておこうと思います。休み明けは忙しいでしょうから。その内容はCREE XM-L LED3発搭載モデルのNITECORE TM11とJETBEAM RRT3の比較と違いです。別々に紹介しようと思っておりましたが、その時間もなさそうなので比較という形で紹介いたしますことをお許しください。

JETBEAM(ジェットビーム) RRT3 XM-L 3灯搭載

NITECORE(ナイトコア) TM11 3XML SMO TINY MONSTER

TMRRT-2
今回ご紹介するこの二つのライトは似て非なる製品です。CREE XM-Lを3灯搭載し、MAX2000ルーメンクラスのハイパワーライトです。しかも、明るさの割にボディはとてもコンパクトなモデルです。TM11の全長はわずかに135mm , 対するRRT3は198mm 。二つを並べるとTM11の異常なまでのコンパクトさが目立ちます。RRT3も十分にスペックからするとコンパクトですが、やはり大きく見えてしまいますね。全長は短いがボディ径は太い!理由は電池をドラム状に装填するためです。

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RRT3はカートリッジ式。TM11はボディ内部が削られており、直接装填出来るようになっております。使用電池はいづれも18650リチウムイオン充電池が推奨されております。TM11はCR123Aの使用も認められておりますが、JETBEAMに関しては現在 18650のみの使用が認められております。TM11が18650 4本またはCR123A 8本、RRT3が18650 3本となります。使用電池に関しては口酸っぱく禁止事項が謳われておりますが、それもこれも、この二つのライトが非常にハイスペックであるが故でございます。各製品の使用電池に関する禁止事項は各製品ページをご参照ください。

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TM11とRRT3はスイッチの位置が異なります。これが一つ目の大きな違い。懐中電灯においてスイッチの位置、数はその製品のコンセプトに大きく影響を与えます。TM11はヘッドに一つスイッチがあるだけ。操作のすべてをこれで行います。スイッチを1回押すとスタンバイモードになり、スイッチが赤く点滅します。その状態からスイッチを軽く押すとLowモードから点灯し、軽く押すたびにMID→HI→Lowと変わります。スイッチを強く押すとターボモード。ダブルクリックでストロボ点滅します。押し加減が慣れないと最初は戸惑うかも。順手持ちが基本となります。

RRT3はメインスイッチがテール部分にあり、ヘッドにあるロータリー式のリングセレクターで調光が可能です。同社のRRTシリーズでいえばRRT2と同じような操作感覚となります。7段階の調光およびストロボ点滅が可能。一番暗いモードは5ルーメン。ライトの大きさからすると必要かどうか疑うモノですが、リングをカチカチを回すことで感覚的に明るさを変えられるので操作は簡単です。ただし、当然ながら両手でなければ操作ができません。しかもこの太さですから逆手に持ち続けてテールスイッチを押すのは酷というものです。基本的にはスイッチをONにさせた状態で順手に持ち替えてリングをもう片方がの手で回すことになると思います。その為、別売りのマウント&ハンドル RM46/MCH46があります。これを装着させるとスリング式に持つことが出来ます。大型のダイビングライトなどで見られるハンドルと同じもの、太くて重いライトを持つ時に役立ちます。

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このマウント&ハンドルですが、そもそも別々のパーツです。RM46マウントはライフルなどのレールシステムに装着可能。それ用のアイテムとして全長約25cmのリモートケーブルスイッチも用意されております。リモートスイッチのプラグを本体テール部のコンセントに差し込むことで使用できます。リモートスイッチは押している時だけ点灯し、指を放すと消灯します。

余計なギミックを極力排してコンパクトで超ハイパワーな懐中電灯を目指したTM11に対して、RRT3は諸々のアクセサリーを装着させられる拡張性を重視したタクティカルな用途での使用を想定していることが伺えます。


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続いてもう一つの違い、それはリフレクターの深さ。これだけボディの長さに違いがあるのはリングセレクターがあることやテールスイッチの有無だけではありません。リフレクターの深さの違いが照射距離に大きく影響を与えます。どちらも鏡面状のスムースリフレクターを使用しておりますが、浅めのTM11に対して、深く抉れたRRT3。深さだけでなくリフレクターの形状も異なります。TM11の搭載LEDのリフレクターが全面風防の直下まで伸びているのに対して、RRT3は各リフレクターの仕切りが途中でなくなっております。つまり、リフレクター内のより深い所で焦点が合うようになっております。

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双方最も明るいターボモード。この二つの画像は同じ場所で撮影されておりますが、「距離」が違います。TM11よりもRRT3の照射始点は約1.5倍離れております。どんんつきまでTM11の照射距離が約20m 、RRT3が約30mです。メーカー公称の照射距離はどちらももっと長いですが、「美味しい」距離はこれくらいになるのではないかと思います。どちらのライトも横に広く、全体的に明るく照らします。中近距離のTM11 , 遠方のRRT3といった感じになると思います。どちらにしろターボモードでの照射は地面がまぶしく感じるほど明るかったです。

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TM11の各モード照射

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RRT3の各モード照射

どちらのライトも明るさを落としていくと周辺光から暗くなっていくのが分ります。基本的には集光系のライトになりますのでかなり暗くなっても中心光の照射能力はある程度確保されます。

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TM11、RRT3共に用途と特性は違えど非常に強力であることは間違いありません。電池の取り扱いなど注意事項は多いアイテムですが、現時点でLEDライトに求められる実用的限界点を示したカテゴリーのライトだと思います。

JETBEAM(ジェットビーム) RRT3 XM-L 3灯搭載

NITECORE(ナイトコア) TM11 3XML SMO TINY MONSTER