新型のL4についてご紹介いたします。先日少し紹介しまいたが、新型L4はLEDを載せ換えたマイナーチェンジモデルです。しかし、、それによってこのライトの性格は大きく変わりました。

まず、旧型L4ですが近距離照射においてまるで蛍光灯のような配光でした。中心光、周辺光の境目がほとんどありません。6畳ほどの室内で照射すれば一瞬にしてその状況がつかめるほどの拡散光です。室内に限らず、光が反射する可能性のある環境、例えば坑道や山林などでもその効果を得ることが出来ます。しかし、壁や天蓋がない広い場所では光の到達距離は短くなります。室内で照射するような明るさが得られる距離はおよそ10m程度でしょう。それ以上の距離になりますとやや力不足を感じてしまうはずです。10m以内の近距離照射において圧倒的な照射範囲と均一な明るさは量産モデルの中では優れたライトの一つだったと思います。
L4
そして、SSC P4が搭載された今回の新型L4ですが、カタログ値での明るさが120ルーメンにアップ。タクティカルモード(初期照度に近い明るさ)が2時間。そこから落ちて実用点灯5.5時間、ランタイムは大幅なスペックアップとなっています。ユーザーとしてはありがたい限りの数値です。
L4-1
点灯前、私は旧型のような配光で明るさがアップするのだろうと思っておりました。なぜなら外観からリフレクターの大きさまで旧型とまったく違いがなかったからです。しかし、実際に床に向かって点灯させたところ「おや?」と思う配光でした。中心光が明るいんです。周辺光に比べて明るいのです。中心光と周辺光の境目にダークスポットなどはありませんが、あきらかに明るさに違いがありました。この配光はどちらかと言えばP60L、つまりG2Lや6PLに近いものでした。まぁ〜、室内照射で見る限りはP60Lよりも中心光は拡散するかな〜っていう感じです。P60Lを1.5倍明るくした感じ、、みたいな。使用しているLEDが同じなので似た配光になるのは分りますが、旧L4のようなものを想像しているとちょっと驚くと思います。ただ、室内照射では10m近く離れますと旧型と変わらないくらい光が拡散します。使用レンジによってはあまり違いは感じないかも知れません。

しかし、中心光が明るくなったことで、その照射距離は飛躍的に向上しております。先日「この新型L4は屋外での照射をしてみたくなるモデルです。」と紹介しましたのはこの中心光の明るさがどの程度、アウトドアで通用するか見てみたかったからです。

で、L5と比較してみました。L5もSSC P4を搭載しており、カタログ値の明るさは100ルーメンです。同機を象徴する深いリフレクターは光を集光し、遠方照射に優れたモデルです。そんなL5と比べて果たして新型L4はL5にどこまで追いつくか?
L4 vs L5
比較的天候の安定した夜に照射テストを行いました。20m、10m、足元といった具合にその明るさ、照射範囲、視認性など確認してみました。おおよそ写真の通りです。まず、20mでの照射ではやはりL5の照射能力が勝っておりました。しかし、照射範囲はやはりL4が圧倒的に広いです。中心光の広さもそれに比例し、照射目標とした立ち木全体を照らす事が出来ました。足元への照射を見てもらえば分ると思いますがL4はこの高さでこれだけの広範囲に照らす事ができます。10mの写真でも同様により手元に近い付近から光が広がっていることが分るかと思います。
遠方照射の絶対的な明るさはL5には敵いませんが、旧L4と比べるとかなりマルチに使えるようになっていると思います。このコンパクトなボディにこの照射性能、そして飛躍的に向上したランタイムはたいへん魅力的です。旧L4と同様の至近距離での均一な配光を得たければF04などのビームシェーパーを使うのもありです。L4に拡散フィルターというのもなんだか違和感ありますけどね。実機をみたお客様の中には一緒に購入される方もいらっしゃいましたよ。

私にとってL4は明るさや配光の美しさもさることながら、その性別を問わず握りやすい細身なボディがお気に入りです。同じエグゼクティブシリーズのE2DLなどに比べるとトゲのないデザインはポケットに入れておいても痛くありません(笑)。過度な装飾や無駄な機能が一切ないシングルアウトプットスイッチ。L4は新旧何れもシンプルにして使いやすい懐中電灯のお手本のようなライトだと思いました。

SUREFIRE L4 LUMAMAX SSC P4モデル